やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

障子を、貼る

2011-08-10 | やまがた抄


娘の部屋の障子が、ボロボロに破れてゐた。
家人いはく、孫が面白がって破いてしまった、とのこと。

ちと腑に落ちないので、”そそのかしたのではー?”といふと、”滅相もない、あくまで、孫が勝手にしたことだ”といふ。

ことの真相は藪の中に入ってしまひ、けれどお盆がくるのにそのままといふ訳にもいかず、張り替へることにした。
腰窓の4枚だけの予定が、よくあることながら、結局その部屋分10枚を半日かけて張り替へた。

以前から、仕事で、お客さんへ偉そうなことを云ってゐることがひとつあります。
プランも一所懸命考へます、コーディネィトは任せて下さい、…etc、けれど、せめて、障子は自分たちで張り替へませう! と云ってきました。

何も、畳まであげて…とはいひませんが、年に一度くらゐは、ご自分たちで障子を張り替へることをお勧めしてゐます。
材料費も微々たる金額です。失敗しても、十分やり直し出来ます。

濡らした紙を剝ぎ、桟を掃除し、再び紙を張り替へると、このささやかな建具の先に、日本が見へてきます。
か細い桟と、薄っぺらな和紙で、けれど、先人たちは寒い冬も雪も乗り越へてきたのだ、と改めて思ふと、今回の地震や災害も、日本人は、しっかりと踏み越へて行く、と改めて大仰なことを考へる。


切迫してゐます

2011-08-09 | やまがた抄


東北電力の電力供給率が、昨日は98%強にまで切迫し、かなり厳しい状況といふ。
思ひのほか、東北管内で計画停電の可能性がでてきました。

当の東京電力は80%台で、その東京電力から分けてもらってその場しのぎをしてゐるといふ。

何とした状況だらうか!

結局、2年前の劇的な政権交代は、これからの日本を動かしてゆくための、屁のツッパリにもならないまま、拙いまま右往左往してゐる間に千年に一度といふ災害に激しく襲はれ、その対応にも拙い言動だけが目立つ。

日本といふ国の、まるで最弱のときを狙ひすましたかのやうな激震は、この国の人間に、何を科せやうとしてゐるのでせうかー。

やっと暑くなってー

2011-08-07 | やまがた抄




台風の影響か、曇り空が続いてゐまして、野菜たちの色づきや成育もすこし悪かったのですが、
再度暑くなりまして、夏の日差しの恵みを毎日頂いてゐます。

そして、”スイカもそろそろいいんぢゃない?”といふ家人の言葉に、まだ充分大きくなってゐないと必死の抵抗をしてゐましたが、本日畑から一個採りました(といふのも、結局、12個も生ってゐました)。
ダメもとで、と思ひきや、大きさは小ぶりながら、丁度食べごろで、家人のドヤ顔のすごいことといったら…。



しかし、105円で12個は、上々の首尾です。

かたちは違へど…

2011-08-05 | 音楽を
動画にて、ショルティ/シカゴSOの、豪快そのもののベートーヴェンを見られて、いたく感動しました。
90年の来日時の演奏のやうです。
このころは、まだいたってお元気さうでしたがー。

すでに、ピリオド楽器と奏法が本格的に演奏の世界を変へてゆかうかといふ時代、ショルティ翁はそんなことにはお構ひなく(と、小生は勝手に思ふ)、膨れに膨らんだシカゴの巨大なオーケストラを、ガブリ寄りのやうにまっすぐに鳴らして、当時最強の鋼のやうなベートーヴェンを聞かせる。

ショルティといへば、やはり小生もマーラーやベートーヴェンの全集を求め、バルトークやストラヴィンスキーも素敵で、ワグナーは余り好きではないので名盤の《リング》はパスし、流石に筋肉ムキムキのやうなイエスが頭に浮かぶ《マタイ》には少し失望し、でも、力強いチャイコフスキーなどは好きでした。

ベートーヴェン:エグモント序曲 作品84 ショルティ/シカゴSO




そして、反対に、
最近のピリオド楽器演奏のサンプルともいへる動画がありました。
エマニュエル・クリヴィヌのもとに集まったピリオド楽器オーケストラ、ラ・シャンブル・フィルのベートーヴェンの全曲演奏会の模様。

クリヴィヌは、むか~し幾つかのCDを聞いたことがある程度でしたが、成る程、最近はかういふ仕事をしてゐるのかしら、と感心いたしました。

その中から、第九の全曲演奏。
初演時に近いスケールで、合唱は、若しかしたら初演よりも少ないのでは、と思ふほどー。
でも、この少なさがとても面白く、完全にソリストおよび合唱団はオーケストラの一部に溶け込んだかたちになって、突出をしない。
よくも悪くも、がなり立てるやうな第九が多いなかで、こんなに室内楽のやうにすっきりと響く第九も、実に面白いものです。
(女性の、ティンパニストが、至極素敵です!)

Beethoven Symphony No 9 D minor Ode to Joy La Chambre Philarmonique , E Krivine