ユニバーサルグループによるモーツァルト大全集のピアノ協奏曲は、内田光子氏の演奏です(複数のピアノの為のものを除きー)。
以前出された時に、いはゆる後期の作品はほとんど聴きましたが、小生の愛聴盤にはならないものでした。
勿論、現在屈指のピアニストではありますが、今回中期の作品もまとめて聴きましたが、やはり、だめでした。
すべてが練りに練った演奏で、破綻も何もないのですが、かうして20曲余りを続けて聴くと、その破綻のなさに面白みが湧かず、加へてどの曲にも共通してゐる演奏の姿のウエット感が、なんとも違和感を感じてしまふ。
「モーツァルトの音楽は、許す音楽なのだ」と論破した彼女には圧倒的に共鳴するのですが、同じ全集のピアノソナタの演奏のやうな、かすかにカラッとした姿を求めなかったのは小生には不思議でなりません。
モーツァルト全集の全体像は、こちら、にありました