やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ブラームス/ピアノ四重奏曲第1番

2005-11-10 | 音楽を
イェルク・デムスのピアノ、バリリ弦楽四重奏団員による、1956年録音のモノラルの名盤で聴く。

ブラームス、28歳の時の作品。
師と仰いだシューマンが、投身未遂と神経障害の果てに没してから5年。
ひそかに夫人クララを慕ひながらも、長大なピアノ協奏曲第1番の初演に失敗し、
アガーテとの婚約も破棄され、故郷ハンブルクにひきこもったブラームスの、
本格的な創作活動の再開は室内楽からだった。
彼の交響曲第1番は、はるか15年ののちである。

曲の冒頭、ピアノに続いて弦がなぞるメロディが幾度も出てきて、すぐにブラームス節に聴きほれてしまふ。
如何にもブラームスらしい、中音域の豊かな響きが素晴しい。

人なつっこく、ぬくもりのある旋律を織り込みながら、曲は進んでゆく。
悲劇的な曲想と、甘味なメロディが混在して、まだ青年といってもよいブラームスの、既に名の売れてゐたピアニストではなく、作曲家として名を馳せたいといふ意気込みが感じられて、晩秋の夜に聴くには、如何にも似つかはしい一曲、です。



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3 コメント

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ブラームス少年のビアノ (波江究一)
2005-11-10 21:56:29
ブラームスの記事が出て居るので、数日前クララシューマンの演奏家論から連想して書いた所感を投稿させて頂きました。よろしく。いつまでも国語をブラームス少年が家計の足しに引いて居た安酒場のピアノごとき状態にしては置けまいと思ふ次第です。
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ピアノ四重奏曲第一番 (koshi)
2005-11-16 23:20:48
今晩は。

大変ご無沙汰しておりました。

大好きなブラームスの四重奏曲とは看過できません・・・。

デモーニッシュな曲想ですね。

青年ブラームスの衒いなのか,行き場のない思いの吐露なのか・・・。



第三楽章のブロードリーな雰囲気も素晴らしいですし,終章はマジャールの血が騒ぐようにラブソディックです・・・。



私はわりと新しいヴァシャーリとベルリンSQ,あとペライアも持っていますが,シェーンベルク編曲による絶妙なアレンジであるオケ版がたまりません・・・。

一度演奏したいですが,この曲を知るメンバーが居ない・・・
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koshi 様 (神丘 晨)
2005-11-17 17:54:53
今日は。



お立ち寄り、ありがたうござゐます。



きっと、単純に、歳のせゐなのでせう、

最近は、ブラームスの、少しウジウジした、

(でもそれも、推敲を重ねた結果の)、胸に云ひ出しかねるものを持った彼の曲想が、とてもいとほしいものとして、せめて、春までに聴き終へて見たいと思ってゐます。(*'-'*)エヘヘ
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