やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

見直し、ました

2016-07-08 | 音楽を
ベートーヴェンの9曲の交響曲のうち、3番だけは昔から苦手でした。
4番以降の、すべてに充実した作品群は勿論のこと、初期の1、2番も初々しさがそれなりに素敵で、けれどその狭間の3番だけは、勿論色々な名演には感動するものの、作品としては妙に頭でっかちな感じで、ずっとさう思ってゐました。

ところが、英国のBBC放送のドラマをみてすっかりウロコが落ちました。

Beethoven's Eroica - A film by Simon Cellan Jones - BBC 2003 (HD 1080p)


一時間半ほどのドラマが、ほとんど同時間的に進行する。
ベートーヴェンが、パトロン達の前で、3番の交響曲を初披露をするといふドラマです。

45分ほどの曲は、一切の省略なく演奏されます。
英語の(当然ですがー)セリフがとても早くて難儀しますが、でも嬉しいことに英語のテロップがでるので、なんとか話はわかります。

ベートーヴェン役の俳優が容姿ともにとても素敵で、また、きっと世界で最初に3番の交響曲に立ち会った人たち(パトロン達であったり、伯爵であったり、執事であったり、館のメイドたちであったり、そして、最後にはハイドンがでてきますがー)の、驚きやこころの揺らぎの演技がとても素敵です。

そしてなによりも、演奏を提供してゐるガーディナー指揮のオルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティックの演奏がぶっちぎりで素晴らしい!

まさに、出来立てホヤホヤの3番の、斬新さと不完全さを鮮烈にさらけ出してゐます。

ガーディナーといふ指揮者の演奏に逢ふと、必ずウロコが2、3枚が剥がれますが(バッハしかり、モーツァルトしかり、ベートーヴェンしかり、ブラームスしかり、シューベルトしかりー)、この演奏も当時はかくあらんといったスタイルでとても楽しませてくれます。

興味のある方は、ぜひ一見をー。




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