やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

悲しい映像…

2012-03-19 | 音楽を
TCHAIKOVSKY - Symphony no6 (Pathetique) - Herbert von Karajan & Wiener Phil


先日、県立図書館に行ったときに、DVDコーナーで、小生、何を思ったか、カラヤンの演奏DVDを借りてきました。

ずっと以前から一列鎮座してあるもので、ソニーで出してゐたカラヤンの遺産といふシリーズで、その中からヴィーン・フィルとのチャイコフスキーの4番、5番、6番の演奏。

実はCDでは、5番と6番が棚にあり、その驚異的な、ノーテンキなまでに美しい演奏は、ある意味、カラヤンの美学そのものといった演奏で、彼のメンデルスゾーンやグリーグ、シベリウスなどとともに、たま~に聞きたくなる演奏です(間違っても、バッハやブラームスやマーラーは聞く気にはならないのですがー)。

でも、やはり! 途中で嫌気がさしてしまひました。

カラヤン独特の、ピッチの少し高い音色は、勿論、チャイコフスキーの旋律の美しさを十二分に表現し、おそらくこの先もこんなに美しい演奏は出現不可能なほどのものです。

でも、その演奏映像のなんと貧しいことー!

生涯に300を超えるディスクを出し、DGのクラシック部門の1/3を売り上げてゐたといふ彼は、ビジネスでもまさに”帝王”でした。

演目の指定や、ソリストの指定も、好きなやうに、自由にできたさうです。
有名な話ですが、映像でも、彼を撮る位置や角度を細かく指定し、カットや編集を繰り返し、彼にすれば、完璧なまでのものを作ったのでせうが、その死から20年以上経った今その姿をみると、とても悲しい想ひにさせられる。

何よりも、カラヤンの意思のままに”オレが! オレを!!”といふ映像を残さざるをゑなかった、それに甘んじて撮影したスタッフの意地も何もない悲しく貧しい映像を、天邪鬼の小生は、まったくつらい思ひで見、そして、頓挫しました。



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