やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

セル、1970

2011-10-06 | 音楽を
3/3 - GEORGES SZELL - MOZART SYMPHONY 40 - 1970 (LIVE)


交響曲の成り立ちの本(「交響曲入門/田村和紀夫著、講談社」)を読んでゐて、譜面が沢山あって素人にはチンプンカンプンですが、力の入ってゐるモーツァルトの項目では、なるほどその構造に感服しました。

バロック時代のオペラの序曲にすぎなかったものが、モーツァルトによって、人間性の深みからの声となり、存在を表現するための手段となった。突然変異としてのモーツァルトの40番のすがたー!(本文より)

そして、その40番を譜面を見ながら急に聞きたくなって、セル/クリーグランド管の来日のときの演奏を聴く。
1970年ー。
まさに、至宝の演奏である。
初めて日本にその全容を見せた彼らの演奏は、”衝撃的”だった、といふ。

CDに録音した演奏も見事でしたが(小生の40番のベスト3は、このセル盤とクーベリック盤とフリッチャイ盤ですがー)、この来日時の演奏も息をのむ。

以前、FMでアメリカの放送を録音したテープを大事にしてゐますが、幸いかな、今は動画サイトでその演奏が聴けます。

セルが、鬼のごとく鍛へ上げたオーケストラは、一糸乱れぬ、かつ微妙なニュアンスを軽やかに動かして、モーツァルトの魂をゆさぶる。

(動画の演奏は、3、4楽章のみ。興味のあるかたは、前後を探ってください)