今年の、雪の季節から楽しみに待ってゐた靉光の展覧会を、仙台の美術館で見てきました。
4,5年前でしたか、盛岡の美術館での、確か、”靉光と同時代展”以来です。
靉光の作品は、小さなものはある程度は見ることが出来ますが、
まとまって見ることはさう多くは望めません。
とてもよい展覧会でした。
作者自身が太平洋戦争時、軍隊の召集を受けた時にかなりの作品を破棄してしまったといふことですので、作品自体はさう多くはありませんでしたが、
初期の才気走った作品(まるで、ゴッホと見まがふほどの見事さ!)
そのあとのシュールっぽい作風、
抽象画を時の行政にいさめられて無理に変へた静物画等の存在感の凄み、
そのあとの黒の作品の、筆遣ひの見事さ、
そして、圧巻は、自画像の三部作!!
結局、靉光は軍隊に徴集され、数年ののちに伝染病で亡くなりますが、
はるか前方をみやる自画像は、彼の希望と絶望を伝へて胸を打ちます。
また、和装の帯に描かれたものも何点かあり、その見事さとモダンさにも感激しました。
靉光を紹介してゐるサイトを幾つか…
美の巨人たち
毎日新聞