五木寛之氏の『養生の実技』(角川書店)を読む。
”病院は病気の巣である。できるだけ近づかない方がよい”
”こんな時代に毎日、明るく爽やかに生きていける人は、病気である。…病める時代に病みつつ生きる養生の工夫が必要なのだ”
等々、歯切れのよい持論がでてゐて面白く読みましたが、
ふと思ふと、あの”格好のよい”作家五木寛之氏が、腰痛や排便の具合を事細やかに書いてゐるなんて、すっかり、時間がたったのだ、といふ感慨がひとしほー。
天邪鬼の小生は、当時の彼の作品はひとつも読まず(現在に至ってもー)、当時は
野坂昭如の、だらだらと長い文章で、彼の独自の世界を読みあさってゐたやうな記憶があります。
(文章の一部は、上記本より)