森敦の、最後の長編作品がさっぱり読み進めないままに(とても、面白いのですがー。まるで、庄内平野を俯瞰したやうな小説!)、こんな本に出会ひました。
森敦と、小説創作の師弟関係にあった著者は、なにくれと身の回りの面倒をみてゐるうちに、やがて、森夫婦の養子になったといふ方です。
森の、一種奇天烈な雰囲気が伝はってきますが、何よりも興味をそそったのは、
庄内美人だったらしい森敦の妻の存在です。
森の放浪生活の経済的なバックアップも妻の実家でしてゐたむきがありますが、
その庄内美人の奥さんは、森にとって、高村光太郎や壇一雄の奥さんと同じやうな存在感であったらしく、きっと、その奥さんのエピソードだけで一篇の映画ができさうな、純粋で美しい方であったらしい。
まあ、それにしても、早く読破しなければー。