石原都知事の唐突な米国滞在中の尖閣土地購入発言に始まり、米国に本部がある香港の団体による尖閣強行上陸、それに対抗した一部日本の国会議員らの尖閣上陸、閣議決定による突然の国有化(官僚主導の噂も)などなど日本国民の大勢と全く関係ない所で一部の人間が日中関係の悪化を目論み、中国も予想通りの反応を示して官製デモ(日本大使館に続く道で参加者に投げるためのペットボトルを渡している、警官が見物人にもデモに参加するように促しているなど)が行われ、それをこれでもかと日本のメディアが報じる。全く見事な連携で気分はもう戦争かという感じです。
ネットメディアでは中国でもある程度以上の知識人達からは作り上げられた官製デモや暴徒化して略奪行為に走る自国民達を蔑み、これでは世界の笑い者になって経済的にも損をするのは中国だけだ(壊された日本名の商店なども所有は中国資本が多い)との声が聞こえてきます。
ある程度は仕掛けたアメリカが慌てる位、日中両国の関係を悪化させてみせないといけないのでしょうが、本気で中国との関係を絶つ事を考える日本人が増えてしまうのはやり過ぎというものです。日本が太平洋の真ん中に引っ越すことはできないのですからアメリカの都合で良好な関係を壊されたり逆に日本にいるべき企業を中国に移転させられたりするのは迷惑千万な話です。
中国は歴史的にも日本が朝鮮にちょっかいを出したりしなければ日本の領土を侵略することもありませんでした。だから日本は韓国・朝鮮にも今後あまり深入りせずに中国さんの好きなようにしてくださいといっておけば良いというのが私の意見です。沖縄については江戸時代、今風に言えば日中の間では領有権棚上げで或るときは日本領、或るときは中国領で直接対決することなくやってきましたし、沖縄の人達も両刀使いでうまく振る舞って生き抜いてきたと言えます。現在沖縄は米国が自由にできる日本領になっていますが。
中国も遠くない将来何らかの政変でいくつかの共和国に分裂してゆくことは必然だろうと思います。14億人が一党独裁で2−3%だけが裕福な社会で一つの国家として未来永劫うまくやっていける事は100%ありません。それが分かっているから中国の裕福な人達はいつでも逃げ出せるように準備をしているのです。日本はそのような国とけんかする必要はありませんし、経済的に利益が得られる間は仲良くしてゆけば良いのだと私は思います。
中国が日本に攻め込んでくる、と本気で怖がっている人もいるようですが、私は中国の軍事戦略から考えて軍事的な侵略はないと考えます。しかし中国からの移民を100万人受け入れようなどという愚かなことをすれば社会侵略は容易になるでしょう。中国は2007年から外洋の島などを侵略に使える玉招級揚陸艦2隻を保有して一度に1000人を超す兵員を輸送する能力は備えてきています。しかし日清戦争における見かけ倒れの中国巨大戦艦の末路を見るまでもなく、戦争というのは武力をいかに使い切るかに勝敗がかかります。朝鮮戦争においても中国がアメリカを中朝国境から38度線まで追い返したのは徹底した人海戦術によるものでした。70年代の中越紛争でも中国は粘り強く奇策を用いるベトナム軍にこてんぱんにやられてしまった。つまり中国人は政治的かけひきにおいては日本人の数倍上手だと思いますが、どんぱちの実戦においては「人海戦」以外は戦争下手ということは歴史における事実なのです。だから中国は単純に軍事的な侵略をして日本を占領しようなどと考えるほど愚かではないでしょう。(14億人を分裂させずにいかにまとめるか、黒社会をどのようにするかなどの方が喫緊の問題でしょう)
自民、民主の次の党首が誰になるかで次の衆院選挙の時期も決まるのでしょうが、その結果できあがる政権(限りなくアメリカ寄りになれば今回の騒動の成果としては申し分ないということでしょうが)が突然、集団的自衛権の行使により中東・アフガンに自衛隊を派兵します、などと言い出さない事を切に望みます。
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