rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

儲けは一部の人に、犠牲は全員に、立ち直ったら儲けはまた一部の人に

2009-07-22 23:37:50 | 社会
米金融大手6社とも黒字、4~6月期 先行きは不安(朝日新聞) - goo ニュース
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米国の実体経済の成長を伴わない資本主義は人類を幸福にしない原始的な資本主義であると以前批判しました。その本質は「儲けは一部の人に、犠牲は全員に、立ち直ったら儲けはまた一部の人に」という言葉に象徴されるものであり、今回の経済破綻も犠牲を払わされて最も苦しんでいるのは経済的な弱者や弱小国家であることは明白です。

ゴールドマンサックスなどバブルの元凶でありハゲタカの悪名をもった米国金融大手は最近黒字に転じた由にて米国の株式市場など経済の指標にとっては明るい材料であると喧伝されています。しかし国民全体が抱く好況感にはなかなか反映されないと言う指摘もなされています。

今回世界人類に大きく影響するほどの不況をもたらしたそもそもの原因について、米国は十分に反省を行ったと言えるでしょうか。バブル経済の原因は投資におけるレバレッジにあり、「ハイリスクーハイリターン」を謳いながら実際にはリスクはCDSなどのしかけで負わなくてよいという「いんちき」をしてしまったために現実には「やった者勝ち」になっていたことをきちんと総括していない状態ではないでしょうか。

人類全体が幸福になるような資本主義経済を目指すものでなければ、犠牲を払った全員が希望が持てません。米金融大手が黒字になったからといってまた一部の人達だけが儲かる経済が復活するだけならば何の意味もありません。全ての労働者の可処分所得が増えて消費が増加して始めて実体経済が活性化するのであって、信用経済が見かけ上改善したように見えても少しも好況感がもてないのは当たり前のように思います。

卑近な例ではありますが、40台の男性が治癒不能の進行癌でこの春から入院しています。正月頃から明らかに症状があったそうですが「入院などすると派遣が切られるから」といよいよ動けなくなって救急車で運ばれるまで受診しなかった由です。現在もう解雇された上、生活保護になり余命も危うい状態なのですが「やった者勝ちで使い切れないほど儲けた人達」はこの患者さんと比較できるほどの犠牲を払ったのでしょうか。
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