HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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DESMOND DEKKER THE ACES / 007 SHANTY TOWN

2010-07-10 20:48:54 | REGGAE
ピーター・バラカン氏に「最強のサントラ」と言わしめたレコード、それが映画「THE HARDER
THEY COME」のサントラである。実際、これはレゲエの枠を通り越して全てのレコードの
中でも特筆すべき内容を誇るもので、私自身何度聴いたか解からないくらい聴いた。
ジミー・クリフが歌うタイトル曲は勿論、収録されたメイタルズ、スリッカーズ、メロディアンズ
の曲はどれも印象に残り、その曲を収録したアーティストのオリジナル・アルバムも
買いそろえた。つまり、レゲエの門戸を叩いた者への格好のサンプル集であり道標でも
あったのだ。

例えばレゲエでも何でもいいが、コンピレーション盤を出すとしたらCDの
収録時間を目一杯使って曲を詰め込み、あるいはそれが組物になることもある。
そうすると、1枚の収録時間が長いため「お得感」はあっても、80分近く集中するのは
難しいし、もしかすると途中で好みで無い曲に出くわして、だれる瞬間があるかもしれない。
それを考えれば「THE HARDER THEY COME」はLPの時代だったというのを差し引いても
12曲40分というのは絶妙の尺だったと言わざるを得ない。

そんな「THE HARDER THEY COME」に収録された曲の中で、オリジナル収録盤になかなか
辿り着けなかったのがデズモンド・デッカーの「SHANTY TOWN」だったのだが、オリジナルの
フォーマットでCD化された。68年に「ACTION!」と題された盤がリリースされていたが、
掲載写真のCDには「THE ORIGINAL CLASSIC 1967 ALBUM」のステッカーが貼られ、由緒正しい
DOCTOR BIRDのレーベル写真も掲載されていて「やっとCD化された」と、なんだか嬉しくなった。

正確に言えばこれはデッカーのソロではなく、3人のコーラス・グループとしてのレコードで
ソウル・マナーに裏打ちされた素晴らしいコーラスとデッカーのリードを楽しむことが
出来るアルバムである。歌手として又ソング・ライターとしても素晴らしい才能を発揮した
デッカーだが、レゲエ史においても、レコード・ガイドのような文脈で語る時も、なんとなく
軽い扱いなのが残念なのだが、このアルバムを機会に一段高い評価が定着すればいいなと思う。
コメント
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