kate & Anna McGarrigleが75年にアーティスト名を冠して発表したアルバムは一聴した限りでは
地味なのだが、何度も聴くうちにゆっくりと体に染みこんでくる優れたアルバムだった。
バックに参加したメンバーの名前で買った人も多いかもしれない。(お、俺か。)
日本語に置き換えるのがなかなか難しい名前だが、ケイト・マッギャリグルは今年1月に
癌で亡くなった。そのケイトの娘がマーサ・ウェインライト。
掲載写真はマーサが2008年にリリースした「I KNOW YOU'RE MARRIED BUT I'VE GOT FEELINGS
TOO。」意味深であるものの、覚えにくいタイトルのこのCDをなんで気に留めたかというと、
答えは簡単で、ピート・タウンゼンドが2曲ギターで参加しているから。(笑)
全く失礼な動機での買い物であったが、こんなきっかけが思いもよらぬ出会いを演出するものだ。
ピートのプレイはクレジットがあっても「らしさ」をなかなか見つけにくいのだが、
マーサのソングライティングの良さとボーカルの素晴らしさを知るきっかけになったし。
複数のプロデューサーを立てているが、アルバムの統一感が損なわれていないのも良い。
カバー好きに堪えられないのがピンク・フロイドの「SEE EMILY PLAY」のカバー。
なんとこの曲のプロデューサーはケイト・マッギャリグルで、アンナ・マッギャリグルと
共にオルガンやシンセを演奏し、バック・ボーカルも担当している。
母親のアルバムも娘のアルバムも、バックの面子に惹かれて買ったのは事実なのだが、
なんとなく美しい数珠繋がりでなかろうかと、自己満足と共に今宵も更けていく・・・。(笑)