掲載写真はセックス・ピストルズが76年に行ったライブを4公演分収録した
4枚組CD「LIVE ' 76」。7インチサイズの箱に12ページのブックレットと
ホチキスでとじられた当時のプレスキットの縮小版が添付されている。
ピストルズ公認のリリースらしいが、音質面を期待すると肩透かしを食う。
昔聴いたブートレグが気のせいか(笑)少々聴き易くなった程度の認識で十分で
これから購入する予定の方は、そのつもりで。演奏面で肩透かしを食うことは
無いだろう。そもそも期待していないのだから。
(あ、この場合はある種の褒め言葉です。)
公式に76年のライブがリリースされたことがあるのかどうかは知らないのだが
少なくともここに収録された4公演は全てアナログ・ブートレグがあるし、CDに特化
しても3公演はブートレグで聴きことができた。
特に有名なのは8月29日の演奏で、この日はクラッシュやバズコックスと同ステージに
立ち、その3バンドの演奏を収録したブートレグは広く出回った。
76年のピストルズは予定では86回の公演を行うはずだったが、14回の公演が
キャンセルされている。キャンセルは全て12月公演でそれはそのまま、シングル盤
『ANARCHY IN THE U.K.』リリース以降の衝撃を物語っている。
全ての公演を聴いてみたいとは思わないが、76年の演奏を今回のように纏まった形で
聴くことができるのは今となっては有り難い。単発の1枚物のリリースならブツとしての
印象が薄いのでボックスで出たのは正解だろう。
それに過去に出た権利関係のクリアが極めて怪しいCDボックス「NEVER TRUST A
HIPPY」(7枚組)「INDECENT EXPOSURE」(6枚組)では76年の演奏は
収録されていなかったので、今回の箱の意義はそれなりに大きい。
あ、そういえば画質の悪いDVDを中心にした組物「ENGLAND DREAMING」(4枚組)に
収録されたCD「NASHVILLE FIGHT NIGHT」は76年4月26日公演のアナログ・
ブートレグを復刻したもので、これはこれで貴重か。
ま、過度の期待をせずに騙されたと思って手にするのが精神衛生上、よろしいという
ことである。それにしても何年騙され続けているのだろう。(笑)