子供の時分、なかなか寝付けないときに母親が絵本を読んでくれた・・・なんてことは
後にも先にも一度もなく、自分で本を読んで目が疲れて眠りについたような記憶はある。
耳元で艶めかしい小説を読んでくれるお店があるのを知ったのは、もういい歳になって
からで流石にそこで寝るわけにもいかず未だ未経験である。面白そうではあるが、
時間と金は大事に使いたいものだ。
掲載写真はデヴィッド・ボウイがナレーションを担当した管弦楽による「ピーターと
狼」。78年のリリースでLPのA面に「ピーターと狼」を収録し、B面には
ボウイとは全く無関係なクラシックを収録。もともと当時ボウイが所属していたRCAの
クラシック部門の企画であり、当時6歳だった息子を喜ばせるためにボウイは
この企画に参加したという。
私自身はクラシックに興味は無いのだが、流石に「ピーターと狼」の有名なフレーズ
くらいは知っているし嫌いではない。それに声だけとはいえ一応ボウイ関連ということで
この盤を手元に置いているが、これを眠れない夜に流しながら寝ようと思ったことはない。
試してみればわかるのだが、音の強弱の振れ具合が大きいクラシックは睡眠導入には
不向きだと思う。如何にボウイ様のナレーションが流暢であっても時に大きく入ってくる
管楽器やその他諸々の楽器の音に耳が過剰に反応してしまうのだ。
一見、いや一聴して音数の少なげなピアノ・トリオも寝入りばなに聴くには不向きな
音だと思う。つい集中してしまい、ピアノの高音と低音の差の大きさと言うか深さに
気が立ってしまう。まあ、そんなの私だけかもしれないが。
眠れない夏の暑い夜は、しこたま酒を飲んでAC/DCかZZ TOPを聴くに限る。(笑)
夜中にトイレに立つのはAC/DCのせいでもZZ TOPのせいでもありません。それは
酒を飲み過ぎたか、爺になった証にすぎないのだから。(笑)
もし、新しい彼女を見つける機会があれば、枕元で本を読んでもらえないか
頼んでみることにしよう。その時は「花のワルツ」を流しながら彼女が選んだ
フランス書院の逸品を読んでもらおう。
あぁ、また眠れねぇ、暑い夏・・・。