掲載写真の2枚はオリジナルが世に出てからCDはおろかLPでの再発さえ実現して
いなかったのだが、昨年ようやくLPでの再発が実現したアルバム。
左は79年リリースの「DUB OUT HER BLOUSE & SKIRT VOLUME 1」、右は81年
リリースの「DUB OFF HAR BLOUSE & SKIRT VOLUME 3」で共に演奏は
レヴォリューショナリーズで、ミキサーは前者がエロール・トンプスン&エロール・
ブラウン、後者がサイエンティスト。
2枚のタイトルが微妙に違うのも謎であるが、一番の謎は「VOLUME 2」が存在しない
ことである。ジョー・ホワイトのアルバムをダブにした79年の「SENTIMENTAL
DUB」が「VOLUME 2」に該当する盤ではないかという見解もあるようだが、真実は
如何に。
2枚ともレア度を差し引いても素晴らしいダブなのだが、どちらかというと79年盤
の方が幾分派手目。しかしサイエンティストの抑え気味のダブが渋い81年盤も
滋味なのでここは両方を並べて揃えるべきだろう。
それにしてもブラウスとスカートを消すというタイトルが実にいい。
こういう遊び心のあるタイトルをおおらかな気持ちで受け入れる度量というのも
音楽を楽しむ上で、いや日々の生活を潤滑にやりすごす上で必要である。
そこに流れてくる音楽が最高の「DUB」なら、これ以上の効用(高揚でもよい)は
なかなか見当たらない、というものだ。