HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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BOUQUETS FROM A CLOUDY SKY

2015-04-13 00:03:50 | ROCK

掲載写真はプリティー・シングスのバンド結成50周年を記念してリリースされた
ボックス「BOUQUETS FROM A CLOUDY SKY」。13枚のCD、2枚のDVD
そして1枚の10インチの計16枚組。ハードカバーの豪華ブックレットは資料として
一級品。添付されたファミリー・ツリーのポスターは特にポスターとしての必然(笑)は
感じないが、ボックスの賑やかしとしてはOKである。

収録された11枚のスタジオ・アルバムのうち、所持しているのは7枚だけなのだが
このボックスを手にして残りの4枚プラス映像と45曲のレアリティーズを一挙に
手にしようという算段である。

DVDに収録された「MIDNIGHT TO SIX, THE PRETTY THINGS 1965-70 &
REELIN' IN THE YEARS」と題された2時間のドキュメンタリーは見応え十分。
ドキュメンタリーなのでメンバーの回想を中心に映像は進行するのだが、途中に
挿入される曲は基本的に全て完奏する。20曲ほどの映像を見ることができるのだから
満足である。初期の映像でのヴィヴ・プリンスの傍若無人ぶりを見ると、キース・
ムーンでさえ抑制されていたように思える。(笑)

「THE PRETTY THINGS ON FILM」と題された映像は、04年に再発された
セカンド・アルバム「GET THE PICTURE?」の国内盤にCDエキストラとして収録
されていた。今回も大画面のモニターで見るには不十分な情報量であるが、
DVDにまとめられて便利ではある。

2枚のレアリティーズには未発表のデモやライブが数多く収録されている。
玉石混交の音質の中で、バーズのカバーが2曲収録されているのが興味深い。
また、個人的にはプリティーズの盤の中で一番好きな「PARACHUTE」収録曲のデモが
数多く収録されているのが嬉しいところ。

プリティー・シングスは財政難に陥った時期にフランスの富豪フィリップ・ドゥバルジュ
の援助を受け、彼をボーカルにしてバックを担当しレコーディングした曲がある。
69年に録音されたものの09年まで発表されなかったのだが、そこに収録された
14曲中、4曲を聴くことができる。とんでもないエピソード下でのレコーディング
なので09年の盤を未聴だったのだが、コレを聴く限りでは演奏は手抜きなしで
ボーカルもまあまあなので、先ほど09年盤「PHILLIPE DEBARGE」を手配しました。(笑)

それしにても、強烈なリズム&ブルーズ・バンドからサイケになりハードロックを
通過してパブ・ロックのような趣になるという、不思議なバンドである。また、
このボックスを手にしたとしてもエレクトリック・バナナという変名で録音した
多くの曲はまた別の形でフォローしないといけない。

一筋縄ではいかないプリティーズの懐の深さを感じるボックスである。

コメント
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