HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 23

2014-05-23 07:07:39 | 日本のロック・ポップス

昔から、いや自分が音楽を聴き始めた頃から巷に溢れていた「ニューミュージック」と
いう言葉に違和感があった。語感的に好きでなかったし、何を指しているのかもよく
わからなかったからだが、思い起こせば「ニューロック」「ニュージャズ」なんて言葉もあったし
それほど目くじらをたてるものではないのかもしれない。

その「ニューミュージック」もいつの間にか「J POP」なんて言葉にとって代わられている。
で、その「J POP」という言葉にも馴染めないまま、かなりの年月が経った。
結局、捻くれ者の私は自分が馴染めない音楽やミュージシャンを「ニューミュージック」とか
「J POP」という言葉に私の側から押し込んで、「俺はあんなジャンルの音は聴かない」と
自己暗示をかけ続けてきたのだろう。

例えば掲載写真の渡辺真知子の78年のファースト・アルバム「海につれていって」を
聴くとき、これを「ニューミュージック」と思ったことは一度もないのだが、時代的にも
音的にもミュージシャンの立ち位置的にも「ニューミュージック」というジャンル枠で言及されても
違和感はない。

メジャー展開するための誰かが選んだ言葉に気が障っただけだろう、と言われれば
「それは違う」ということを正当に理由付ける言葉が見つからないのが、何とももどかしい。(笑)

以前も書いたが、渡辺真知子の登場は子供心に衝撃だった。それまで聴いてきた歌謡曲と
似ているようだが、何かもうちょっと洒落ている音楽のように思えたものだ。
当然、シングル中心に聴いていたわけで、後年アルバムを聴いた時もシングル曲の出来が
群を抜いているように感じたが、まあそれは聴いた回数の違いがそうさせるのだろう。
全体的に瑞々しい、何度もの再生に堪えうるアルバムである。

当時新しかったものが、長い年月を経た後の今聴いても古びていないと思うのは、
単なるノスタルジーだけではないことは間違いない。

コメント (2)
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