昨年から、ここ数か月ハマっているのがディスカバリー・チャンネルで放送されている
「ファスト＆ラウド」という番組である。テキサス州ダラスにあるガレージで、アメリカ中から
見つけてきたヴィンテージ・カーをレストアして、オークションやネットで売るその一部始終が
番組内容なのだが、これがすこぶる面白いのだ。ガレージの名はガス・モンキー。
ガレージ・オーナーのリチャードと、メカニックのアーロンというキャラが立った二人の
所作がいちいち面白く、解りやすい典型的なアメリカ人の一パターンを楽しく見ることができる。
日本人の多く（私を含む）が、「これは鉄くずだろ」と思うような車を探し出しては、エンジンから
足回り、内装まで整える様は圧巻で、時に全塗装、時に錆びたボディーをそのまま活かすという
判断も的確で、車そのものに疎い私も十分に楽しめる。
番組が面白い一因として、先の二人の「車に対する愛情と知識」というのは大きいだろう。
好きが高じて得た知識と経験に裏付けされた知識の両方が混ざってでてくる会話は、門外漢には
難しい話もあるが単純に「何であれ、あることに精通していることは格好いい」と思わずにはいられない。
大きく儲けたり、損したりすることもあるが、趣味の延長で楽しく生業が成り立つなら
生活に張り合いもできるというものだ。もっともガス・モンキーは、車のレストア以外にすでに
立派な企業のようなもので、ＨＰではＴシャツやアクセサリーの販売にも力が入っているようだ。
まあ、これはミュージシャンがＴシャツや様々なグッズを売るのと同じだから、非難するような
ことでもないが。
番組には様々な車が登場した。シボレー、マスタング、ポンティアック等々・・・。
アメリカの映画とかでもよくあるシーンだが、車を指すときに「ＸＸ年のフォード」とか「ＸＸ年の
キャデラック」と呼ぶ場面がある。年代で車の形式や特徴を把握するというのは、なんだか格好いい。
そういえば、チャック・ベリーには車を歌った印象的な曲が多い。『JAGUAR AND THUNDERBIRD』
は勿論、個人的に好きなのが『NO MONEY DOWN』。車への憧れがわかるというものだ。
ガス・モンキーの連中の気に入りそうな車が写ったジャケットということで、思いついたのが
掲載写真の２枚。残念ながら私はこの２枚に写った車が何なのかさっぱりわからないのだけど。（笑）
あとは・・・。登場人物であるアーロンの風貌、背格好がザ・バンドのレヴォン・ヘルムに似ている
のが、私にとっての高ポイントでもある。アーロンの髭は長すぎるけど。（笑）
