HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

DON'T FORGET YESTARDAY

2012-09-23 22:46:02 | ROCK

       

掲載写真は11年11月5日と6日に行われた、パンタのソロ活動35周年を記念して行われた
ライブを収録した2枚組CD。頭脳警察の40周年記念ボックスのタイトル「無冠の帝王」は
言い得て妙であったが、今回のタイトル「反逆の軌跡」も如何にもそれっぽくて、ここに収録された
ライブの雰囲気やパンタの本質はともかく、パンタのパブリック・イメージに相応しいものである。
もっとも、2つとも実在する曲名ではあるが。

今回のライブが開催されるまでの状況(パンタの体調不良)が状況だけに、セット・リストは短めの
ものであるが、収録された曲はこれまでの数あるライブ盤で聴くことができなかった曲が
多く収録されているのが面白い。

2日間で全スタジオ録音のアルバムから1曲は演奏するというのがセット・リストの面白さを
生み出していて、尚且つ過去のライブ盤(私の手元にはZK名義を除けば8種ある)には
収録されていない曲を選ぶこともセット・リストを任された高沢正樹の意識下にあったかもしれない。

実際のところ、パンタの数あるライブ盤のどれにも、スタジオ録音で発表されていない
曲や、他者に提供した曲のセルフ・カバーといったものが収録されているので、思い起こせば
どのライブ盤の選曲も、それなりにレアであり、それはそのままパンタの活動の広さと
発表した曲の多さ、バラエティー(コンセプトと言い換えてもいいだろう)の豊かさを表している。

ファンの方々は、それぞれ様々な曲に思い入れがあると思うが、私個人としては今回の
アルバム・タイトルにもなった『反逆の軌跡』の収録が嬉しかった。紛らわしいが、この曲は
85年に出たスタジオ・アルバムのタイトル曲でもあり、それはまた私が初めて買ったパンタの
アルバムでもあった。

10代の終わり頃、中古盤で初めて頭脳警察のセカンドを聴いたものの、なんとなく私の生活とは
相容れない時代的にも現実的にも遠い昔の話と音であるように思え、暫くの間はそれ以降
アルバムを探すこともなかったのだが、何気に手にしたアルバム「反逆の軌跡」のタイトル曲と
『死ぬまで離さない』を聴いて、一挙に自分の精神状態とリンクしたように感じたことを今でも
覚えている。優れた歌というのは皆そうなのだろうが、パンタの曲の多くは人の心に入り込み
個人的な賛同を多く引き起こす。他のミュージシャンと違うのは同時に多くの反動も引き起こす
ことがあることなのだけど。(笑)

今回のライブ盤は決して「いい音」だとは言えないと思う。この録音でSHMーCDとか言われても
何のことだかさっぱりわからない。しかしながら、ライブの会場で聴くことができる雰囲気を
パッケージにするという意味合いでは、この音も面白いかもしれない。
2枚組で5000円という、いささかの割高感のある値段もソロ35周年の御祝儀だと思えば
気は済むというものだ。

そう言えば、もう10年前くらいになるがカラオケで『死ぬまで離さない』があったので
歌ってみたら、同席者から「元春?」と聞かれたことがある。ああ・・・(笑)
今度は『反逆の軌跡』を探してみようかな。荻野目ちゃんバージョンで。(笑)

コメント (2)
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