HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

CHRIS SPEDDING / SHE'S MY FRIEND

2009-11-29 16:49:52 | THIS SONG
クリス・スペディングのアルバムで一番よく聴いたのは、当時「天才クリス・
スペディング」という間の抜けた邦題がついたアルバムだったが、
ほとんど僅差でというか、比べるのも難しいくらい好きなのが70年リリースの
「BACKWOOD PROGRESSION」だ。アコースティックとエレキが絶妙のバランスで
配されたこの盤は、どことなく英国ミュージシャンの米国への憧れも
感じられ、またオルガンとピアノの組み合わせは、「こうすると格好良い」と
いう見本のような盤でもある。

冒頭のタイトル曲で、アメリカ西海岸の象徴であったような音(具体的な
バンド名も出ているけど、私が好きなのバンドなので端折る。笑)に疲弊し
バーズとフライング・ブリトーズ、そしておそらくボブ・ディランから
感じられるルーツのようなものを求めることの歓びが歌われる。
アルバム全体がこの歌詞の内容のようなトーンで覆われているのに、
何故SSW好きやフォーク・ロック(これも間抜けな言葉だ)好きにまで
浸透していないのか不思議でならない。

そんなアルバム「BACKWOOD PROGRESSION」収録曲で、尚且つ全てのクリスの
楽曲の中で私が一番好きなのが「SHE'S MY FRIEND (邦題:素敵なアドバイス)
だ。それをクールとは言わないし、微熱があるとも言わない。恋愛感情に
発展するかしないかも知らないし、そういう意味では双方無関心だが、
それでも互いに相談相手として楽しく時間を過ごす。昔からこういう
シチュエーションには無縁(笑)なのだが、そんな内容の歌詞が絶妙の
抑揚のついたメロディーで歌われる。決して上手い歌唱ではないのだが
それが却っていい味になっているのも素敵だ。

スリーブをよく見ると、使われている写真はアルバム・ジャケットの
写真の流用ではなく、別のカットなのが嬉しい。日本のみのシングル・カット
だと思うのだが、自分の好きな曲がシングル盤になっているのは
本当に楽しく、嬉しいものだ。
「ギター・ジャンボリー」も楽しいけれど、未聴の方はまずは「BACKWOOD
PROGRESSION」をお試しいただきたい。
コメント (4)
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