HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

MARIANNE FAITHFULL / EASY COME EASY GO

2009-01-21 21:27:09 | ROCK
掲載写真は、昨年若かりし日のBBC録音も世に出たマリアンヌ・フェイスフルの
新作。2枚のCDとドキュメンタリーのDVDの3枚組。もうとっくに
わかりきっていることだけど、BBC録音と続けて聴くと声の違いに
とまどってしまう。経験と言うには余りに数奇で複雑で
不摂生な時間の経過がもたらした結果であるが、マリアンヌにとっては
先達にあたるジャズ・シンガーのような趣の声は、いまとなっては貫禄と
年輪を感じさせるに相応しいものなのだから、後付上等というところか。

今回のアルバムはカバー集で、尚且つカバー好きの私の琴線を擽る仕掛けが
いたるところにある。選曲もバラエティに富んでいてベッシー・スミスや
ジュディー・シルにサラ・ヴォーンといった想定内の曲から、トラフィックや
スモーキー・ロビンスン&ミラクルズ、果てはブライアン・イーノまで
射程内に入っている。近年のアーティストにも目配りが行き届いていて、
モリッシーやブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ(!)の曲を
取り上げているのが嬉しい。

本当のことを言えば、一番の購入目的はマール・ハガードの「シング・ミー・
バック・ホーム」を取り上げているためである。ここではキース・リチャーズ
とのデュエットを聴くことが出来る。DVDではこの曲を取り上げた経緯が
語られていて、マリアンヌは昔から気に留めていた曲であったが、
あの「STONE ALONE」を聴いて決定的にこの曲に魅入られたという内容のことを
語っている。そしてこの曲を吹き込むにあたってキースに協力を仰いだ
エピソードも語られ、なんとなくストーンズ者としては嬉しくなってしまう。

アルバムの構成もなかなか良くて、「シング・ミー・バック・ホーム」の
前の曲「ウー・ベイビー・ベイビー」からの流れも絶妙である。件の曲では
アントニー(ルー・リードのファンはピンとくるあの人)とボーカルを
分け合うのがいい感じで、アントニーのソロ・パートもあり聴き応えがある。

もうすぐ日本盤も出るのだが、日本盤は1枚組10曲収録のようである。
そうすると、もう1枚のCDやDVDはオミットされるわけで、ここは
輸入盤を入手したほうが良さそうである。DVDは日本の通常の
DVDプレイヤーでは再生できないことを付け加えておく。

コメント (2)
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