HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

DEENA WEBSTER / TUESDAY'S CHILD

2009-01-15 20:53:54 | ROCK
ディーナ・ウェブスターが68年に発表した唯一のアルバム。
雑誌でこのジャケットを見てからずっと気になっていたのだが、遂にCD化
である。ディーナの髪型、顔立ち、表情の全てが何となく「いい感じ」で
昨年一部で話題になったジャズの紙ジャケの対極にある「気品」が
ずっとこのジャケットを眺めていたい気にさせる。
もっとも私が常に「品」のある作品を追いかけているわけでないのは
明白なのだけど。(笑)

自作曲は無いものの、選曲とアレンジの良さとディーナの声の特性が
このアルバムを魅力的なものにしている。アレンジはオーケストラが参加する
大掛かりなものと、自身の弾くギターに最小限の楽器を加える二つに大別
できるのだが、選曲に相応しい振り分けが成されている。
私の好みだと、シンプルな弾き語りのほうがいい曲が多いように感じる
のだが、それはロック者に馴染みのある曲だからかもしれない。

ビージーズの「ニューヨーク炭鉱の悲劇」を取り上げているのが渋い。
この手のカバーなら安易に「ラブ・サムバディ」を選びそうだが、そうでない
ところに主張を感じるし、「朝日のあたる家」をとりあげるところにも
同じような何かを感じる。トム・パクストン、フィル・オクスのカバーを
聴くと、またオリジナルの魅力に気付かされるし、この時代にドノヴァンが
いかに英国で人気があったかを窺い知ることもできる。
ディラン・カバー「親指トムのブルースのように」の収録も嬉しいところ。

5枚発表されたシングル曲は何れもオリジナル・アルバム未収録曲なので
いつかそれらを収めた編集盤が出ることを期待しながら、それまで
このアルバムを大事に聴いていこうと思っている。
コメント
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