HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

COVER OF THE ROLLING STONES - SILVER TRAIN

2008-03-29 18:09:30 | ROCK
ストーンズのアルバム「山羊の頭のスープ」は、優先順位でいうと
かなり後回しにして購入したアルバムだ。ジャケットがピンとこなかったし
アルバム・タイトルも?だったからだ。
それでもシングル盤「悲しみのアンジー」は中古盤で購入していた。
有名曲だしこれくらいは持っとかないと、と思ったから。
ラジオで何回か聴いたことがあったから曲自体は知っていたが、さほど
好みでないのは今も昔も変わらない。
ハーモニクスにイントロのAmのコードとチャーリーのオープン・ハイハットと
ミックの感情移入過多のボーカル以外はさして印象に残っていない。
以前も書いたが、アマチュア・バンドで嫌々コピーさせられたのも
今に至るまで好きになれない理由の一つ。

このシングルはむしろB面の「SILVER TRAIN」のほうを良く聴いた。
南行きの列車という設定はなんとも言えないロマンを感じさせたし
スライド・ギターの音がまた気分を盛り上げる。
長時間電車と列車を乗り継いで家に帰る自分を、無意識のうちに
ダブらせていたのかもしれない。

この曲はジョニー・ウィンターが73年発表のアルバム「STILL ALIVE AND WELL」でカバーしている。ストーンズの「山羊の頭のスープ」とシングル「悲しみの
アンジー」はどちらも73年の発売なので、いきなり同時代の曲を
カバーしたということになる。カバー・ソングというのは昔のお気に入りの
曲を取り上げるものだと思っていたから、私にとってはちょっとした
驚きであった。ジョニー・ウィンターはブルーズやロックンロールの古典を
デビュー時から幾つもカバーしているが、彼自身にとってもリアル・タイムの
カバーは初めてなのではないだろうか。
盟友リック・デリンジャーが迫力あるスライド・プレイを披露しているのが
聴き所。このアルバムでは同じくストーンズの「LET IT BLEED」を
取り上げているが、こちらではジョニー自身のスライドを聴くことができる。

また「名盤ガイド」の話になるが、今やジョニー・ウィンターはそういった
類の本の中では完全に過去の人扱いのように思える。
70年代に残したアルバムは、飛びぬけた作品が思い浮かばないとしても
どれも平均を軽く上回る力作ばかりだと思うし、晩年のマディ・ウォーターズの
「再生」に手を貸したことも忘れてはならない。
何より今でもバリバリのブルーズ・マンである。
もう一度きちっとした評価がなされることを希望するミュージシャンの
一人として、ここで取り上げる次第である。

コメント
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