HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

ロック伝説・・・そのロマンとシステム

2006-07-29 23:39:54 | ROCK
72年3月26日。モット・ザ・フープルのファンならこの日付は
頭に刻み込まれているはずだ。「モット・ザ・フープル物語」のサブ・タイトル
にもなったこの日付は、モットがチューリッヒでのライブの後に
解散を決意したその日である。ベーシストの職探しの電話でモットの危機を
察知したボウイ様の援助で、モットは窮地を脱しバンドが存続したのは
有名な話である。
では、ボウイとモットの話し合い?もしくは援助の旨の意思伝達は
いつ行われたのか。

掲載写真は72年4月6日のライブ盤。もちろんオフィシャル物である。
このライブは72年のロックンロール・サーカス・ツアー二日目を収録していて
初日は4月5日。ということは、3月26日からわずか9日のインターバルで
ツアーが始まったことになる。この9日の間にボウイとのミーティングがあり、
バンドが存続することが決定し、多分当初から決められていた通りの
スケジュールでツアーが始まったのだろう。
たった9日の間に、4月22日まで続く16回分のコンサート会場を押さえるのは
至難の技だろうから。

で、ツアー2日目のこのライブ盤で早くも「モット・ザ・フープル物語」が
演奏されているのを聞くことが出来る。
この曲もたった9日の間に出来上がったということになる。
ロックには様々な伝説があり、そのロマンに私のような凡人は様々な思い入れを
時に過剰に盛り込んでしまう。
もちろんロマン優先であるのだが、バンドを取り巻くビジネスという
現実も見えてしまうこともある。
存続が決まったから、さあツアーに出ろといったところなんだろうなあ。
哀愁漂うバンドの現状を、聴衆に披露する気持ちというのはどんなものだった
ろう。

ボウイ様の援助は現実のものになり、バンドはそれなりの成功を収める。
72年11月から始まる「ALL THE YOUNG DUDES U.S. TOUR」では
もう「モット・ザ・フープル物語」は演奏されない。
74年のライブを収録した「華麗なる煽動者」にも収録されていない。
コンサートのオープニングがホルストの「木星」であるのは変わらないけど。

コメント (2)
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MOTT THE HOOPLE / BRAIN CAPERS

2006-07-29 22:49:01 | ROCK
モット・ザ・フープルのアイランド時代も紙ジャケ化されているのだが、
アイランド時代は唯一「BRAIN CAPERS」を購入した。
何故これだけを購入したかというと、「マスク」のレプリカが添付されている
からである。
アルバムの内袋の再現も嬉しいが、やはりマスクの添付が嬉しい。
もっとも、オリジナルとは装丁が異なり、なおかつ縮小比率も違うという
少々期待はずれのもではあったが。

だいたいにおいて、紙ジャケはアナログのほぼ忠実な再現を目指している。
掲載写真の左を見て欲しい。実に格好いいプロモーション・ポスターである。
先にプラスティック・ケース仕様でリリースされた盤には(ボーナス・トラックは
同じ)大量のライナー(もちろん英語です)のほかに、こういったポスターや
写真が掲載されている。
紙ジャケがリアルな最限度を増すのは嬉しいが、資料的なものが少なかったり
すると、あれも捨てられない、これも・・・なんてことになって
困ってしまう。まあ、いつまでCDやらLPやらを所持し続けることが
できるかわからないのだけど。

前作「WILDLIFE」はジャケットの格好よさに反比例して、まとまりのない
アルバムだったが、今作は再びプロデュースをガイ・スティーブンスに任せ、
統一感のあるロック・アルバムに仕上がった。
予算不足と、土壇場でのプロデューサー指名で、アルバム製作はバタバタしたようだ。
たった5日間での録音、ガイが関わるまでにレコーディングされた曲の
再録音の要請といった負の要素にも関わらず、アイランド時代では一番
聴き所の多い盤に仕上がっている。
ヤングブラッズの「ダークネス・ダークネス」のカバーもオリジナルの
曲調を活かし、モットらしいハード・ドライヴィングな側面も取り入れて
いい感じだ。ちょっとフェイド・アウトが早いけど。(笑)

この時期に録音されながら採用されなかった曲は編集盤「TWO MILES FROM
HEAVEN」に収録されている。この盤には1STの1曲目にインストで
収録されたキンクス・カバー「YOU REALLY GOT ME」のボーカル入りテイクも
収録してあるので、興味ある方はご一聴を。
インストにして正解だったね、いい判断だ。さすがガイ・スティーブンス。
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