HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

JACKIE MITTOO / REGGAE MAGIC

2006-05-18 23:47:28 | REGGAE
オルガンという楽器の持つ求心力というか、気を集める作用というのは
他の楽器にない特性だと思うのは私だけだろうか。
「ジャズの帝王」も「ゴッド・ファーザー・オブ・ソウル」も
時にオルガンをプレイした。大した演奏でなく、悪く言えば適当な
演奏であるが、本来の自分のテリトリーでない楽器をステージでも
演奏したのは、場をまとめるためか、流れを変えるためか・・・。
何れにしろ、選んだ楽器がオルガンだったというのは興味深い。

さて、激烈なダブの魅力とは対極にあるメロウなソウルよりのレゲエ。
その中でもジャッキー・ミットーの諸作品は素晴らしいものが多い。
掲載写真はその名も「RAGGAE MAGIC」。本来なら「IN LONDON」や
「MACKA FAT」が優先されるべきであるが、これもジャケットの
魅力に逆らえないので・・・。どう見てもこの後、金払うように見えないのが
なんともいいのだ。「何みとんじゃぁ」とか言いそうである。

内容は・・・。商店街のBGMか、アトラクション会場のBGMかといった
風情である。ロックやポップスの有名曲をゆるくインストでカバーするのも
この人の常套手段のひとつなのだが、この盤にも「アローン・アゲイン」や
「煙が目にしみる」などがまったりと収録されている。
おまけに誰が仕込んだか、ご丁寧にストリングスが被されたりして
なんだか不思議な気分にもなる。だが、スタジオ・ワンのサウンドを支え続けた
男の盤である、悪かろうはずがない。
ルーツ・レゲエのファンはもちろん、ソウル的グルーヴ(なんのこっちゃ)を
求める人は気に入るはずだ。

それにしても。なんでカナダ録音なのだろう。
ジャマイカ人が72年にカナダでレゲエを録音する、なんてことがあったこと
自体不思議でならない。もっともジャッキーは90年にカナダで亡くなっているので
かの地が気に入っていたのだろうけど。
レゲエはカリプソとジャズの橋渡し・・・。ジャッキーのこの言葉を
信じて「レゲエ・マジック」に幻惑されるのも一興だ。
コメント (2)
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