HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

JOHNNY ROBINSON / MEMPHIS HIGH

2005-08-28 11:23:12 | SOUL
ロックの再発盤がカタログに残っている期間というのは
意外なほど短い。定番物なら企画変更で数年置きに再発されるが、
マニア向けのものはそうはいかない。ロックより購買者が限られる
ソウル物なら、尚更だ。
世界初CD化を日本で成し遂げた後、しばらくして入手困難状態が
続いたこのアルバムが紙ジャケで、近日発売されるらしい。

ジョニー・ロビンスン一世一代の名盤、その名も「メンフィス・ハイ」。
タイトルからしてもう、キている。レーベルはエピック。
録音はハイ・スタジオで録音されていることから「HI」と「HIGH」を
掛けているのだが、内容はタイトルに劣らない充実振りである。
ハイ・サウンドの本質は72年~74年のアル・グリーンや
アン・ピープルズのアルバムにあると思っているのだが、
このアルバムの発表は70年。
94年版CDの解説で鈴木啓志氏がいみじくもこう書かれている。
「一番近しいのはドン・ブライアントではなかろうか。」
洗練される一歩手前の豪気さと、バラッドの表現力。実に納得のいく
比較だと、素人ながらうなずくことしきり。

ジャンプとバラッドが均等に配され、11曲中4曲が自作。
ソウル好きには有名な曲のカバーが多いと思われるかもしれないが、
わずか4曲の自作曲が素晴らしい。アルバムのラスト・ナンバー。
「DON'T TAKE IT SO HARD」こそ、誰もが耳にすべき曲で
これ1曲のために買ってもいいくらいだ。歌詞も歌唱も曲も
素晴らしく、この曲でのアプローチがプロデューサーの
ウィリー・ミッチェルにとって、後のアルやアンの諸作へと繋がって
いるのでは・・・と勝手な思い込みさえ可能にしてしまう。
更に勝手に思い込みをすれば、キース・リチャーズさんもきっと
このアルバムを聞いているんじゃないかなぁ。
1STソロでハイ・サウンドに大接近した、キース・リチャーズの
アルバムからのシングル第一弾は「TAKE IT SO HARD」。
このジョニー・ロビンスンの素晴らしいバラッドから何らかの
インスピレーションを受けていたら、なんて考えるだけでも楽しい。

先日、ジョニー・アダムスのベスト盤CDが格安で売られていたのを
スルーしてしまった愚かな私ですが、これを読んでいる皆様には
そういったことがないように・・。
ジョニー・テイラーやジョニー・アダムスに負けない、ジョニー・ロビンスンの
名盤を是非とも聞いてください。



コメント (2)
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