HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

HUNGRY CHUCK / SAME

2005-08-01 22:03:28 | ROCK
ついでといっては何だが「ハングリー・チャック」にも軽く
触れておこう。これもグループとしては72年に発表された
唯一のアルバム。

イアン&シルヴィアは「グレイト・スペックルド・バード」
名義でアルバムを作ったのは1枚のみだが、エイモスと
スマートⅡ世が抜けた後も、バック・バンドはグレイト・
スペックルド・バードと呼び続けた。そのイアン&シルヴィアの
72年のアルバムでバックを務めたジム、ジェフリー、ピーター、
ベンの4人に先のエイモスとスマートⅡ世が合体したのが
このバンドである。

より男くさく、泥臭くありつつも流石はウッドストック産。
片田舎とはいえ、ニューヨーク州である。そこはかとなく
洗練された録音である。ここでのスティール奏者はベン・キース。
ニール・ヤングとの活動で名前を聞いたことがあるだろう。
ゲストも豪華だ。ポール・バターフィールド、ジェフ・マルダー、
ガース・ハドスン・・・。ポール・バターフィールドは
翌73年「ベター・デイズ」名義のアルバムを発表するが、
このウッドストックでのセッションがブルーズの呪縛から
彼を解き放ち、おまけにエイモス・ギャレットをメンバーに
することに成功しているのだから、このアルバムへの参加は
彼にとってエポックであろう。

押入れの中の古びたコートのジャケットが印象的だ。
使い古しても愛着のあるものや仕立てのいいものは
なかなか捨てられないものだ。同じように
このアルバムもいつまでも聴き続けられるべきである。
「ベター・デイズ」へ参加するためかエイモスは参加していないものの
2曲の未発表曲が96年発売の「ベアズヴィル・ボックス」に
収録されていた。1枚しかアルバムを出してない名グループの
未発表曲が聴けたことを喜んだのが、ついこの間のようだ。

ワーナー・グループが「FOREVER YOUNG」シリーズを再始動
して、定番ものを廉価で再発している。手に入りやすい
状態でカタログに残っているのはいいことだ。
「ハングリー・チャック」や「ボビー・チャールズ」らの
アルバムが定番として広く定着し、カタログから消えることの
無い日がくることを願っている。
ところで私はジェシ・ウィンチェスターに関しては断然1STよりも
2NDを推すのだが、それはまたの機会に・・・。

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GREAT SPECKLED BIRD / SAME

2005-08-01 21:14:33 | ROCK
「フェスティバル・エクスプレス」のDVDは何回見ても
面白い。「フェスティバル・エクスプレス」という言葉を
初めて見たのが、実は映画にも登場した「グレイト・
スペックルド・バード」の日本初登場にして、初CD化
された際のライナーによってである。凄い面子でのツアーが
あったのだなあ、と。
70年のそのツアーに参加したもののバンド名義では1枚しか
アルバムは残されていない。

先に書いたように元々はイアン&シルヴィアのフォーク・デュオが
素晴らしい演奏メンバーを得たためバンド名義で発表したのが
本作である。テレキャスターの魔術師エイモス・ギャレットの
演奏に魅了され、彼の参加盤を探して集めた方も多いと思う。
面白いのはドラマーのN.D.スマートⅡ世の経歴で、彼は
マウンテンの初代ドラマーだったという。カントリー・ロックの
印象を決定付けるスティール・ギター奏者がいたことが、同じく
スティール・ギター奏者を擁したフライング・ブリトーズと
比べられて語られることが多い所以かもしれない。その
スティール・ギター・プレイヤーのバディ・ケイジは後に
「ニュー・ライダーズ・オブ・パープル・セイジ」のメンバーとなる。
このグループが1枚しかアルバムを残せなかったのはイアン&シルヴィア
以外のメンバーが他のグループに移行するからなのだが、なんといっても
エイモスとスマートⅡ世が参加した「ハングリー・チャック」は
忘れられない。

私のフェイバリット・ソングはシルヴィア作の「TRUCKER'S CAFFE」だ。
好きでそこで働いているわけではなく、そこで働くしかないから
働いている。多分、旦那とは別れたのだろう残された子供のために
働くのだが、単純な日常の中の誰もが持ちうるであろう
狂気について、さらりと歌うところが格好いい。
ケイジのスティール・ギターとエイモスのエレキ・ギターの
バランスも絶妙、とり方によってはヘヴィーな歌詞をさらりと
歌うシルヴィア、全てが完璧な曲だと思う。

改めてライナーを読んで驚いた。
メリー・ホプキンが大阪万博のために来日したことは過去のブログで
触れたが、グレイト・スペックルド・バードも万博のために
来日しているのだ。凄かったんだね、大阪万博。
95年に初CD化されたものの、実はいまや入手が難しいのが
残念である。





コメント (2)
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