ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

13/08/06 「2013フェスティバルFUKUSHIMAプレイベント 坂本龍一×大友良英トーク+ライブ」に行ってきた!

2013-08-08 23:59:50 | 音楽

日本の金融機関でいち早く脱原発宣言をして注目された城南信用金庫。昨年7月に理事長の吉原毅さんの講演を聞いたが、理事長の年俸は支店長職と同じにして、現場を元気にする経営改革を先にすすめていたところに2011年の3.11に直面されたのだという。それ以降、日本の企業のトップの中でも先進的な取り組みをされてきていて、自分の職場のトップにも吉原さんのようになって欲しいものだと強く思ったものだった。

毎年「よい仕事おこしフェア」ということで城南信金の取引先である中小企業の合同就職説明会とも連動したイベントを開催されているとお聞きしていたが、今年はその2013年フェアに行ってきた。
仕事を終えてから、夜の企画「2013フェスティバルFUKUSHIMAプレイベント 坂本龍一×大友良英トーク+ライブ」で有楽町の国際フォーラムホールBへ。8/6の広島行動に精神的に連帯する気持ちで、女子高時代の友人Aさんと一緒に参加。

坂本龍一さんは早くから脱原発の声を上げ行動してきていて、昼のシンポジウムにもパネリストとして参加。夜のトーク企画にも参加。今回の選挙結果への失望感を漂わせる発言もあった。3.11で意識を高めた人もいるし、わけがわからないままどうしてよいかわからない人もいて二極化がすすんでいるというのが今の日本人の全体像だと私は思っているがで、坂本さんは金官行動(金曜に官邸を包囲するデモ)にも参加して、意識の高い人たちとばかり接しているのではないかと推測してしまった。

トークのお相手は高視聴率をマークしているNHK朝ドラ「あまちゃん」の音楽担当の大友良英さん。ご実家が福島市の縫製工場ということで、東日本大震災と東京電力の原発事故後の福島で何かできないかと2011年から8月のお盆に福島でフェスティバルを開催してきたという。昨年の2回目から福島駅前での開催となり、坂本さんも毎回出かけていってピアニカを吹きながら参加している映像も流されていた。大友さんのご実家の縫製工場で1回目は放射能汚染の大地を覆う大きな風呂敷、2回目は旗、3回目の今年は浴衣を縫っているという。大変なのにいろいろな人が集まって縫うのが楽しいと盛り上がっている。

昨年はヒッピー風ということで地元の方々からは少々浮いた感じだったようで、より地元の方々にも参加してもらいやすくしようということで「納涼盆踊り」になった。しかしながら櫓は1つだけでなく何本も高さの違う櫓を立ててつないで演奏して輪になって踊る、それも新作の12分もの長さの音頭を変な振り付けで!!そういう映像も紹介されて、実に面白そうだった。
大友さんは盆踊りのような音楽を否定してジャズやノイズをやってきたが、曲をつくるとなるとやっぱりお馴染みの音のフレーズが身体に沁みついていることを自覚したという話になるほどと思わされた。「あまちゃん」の中で「ダサイのなんか我慢しろよ」という台詞があったことが衝撃だったとも言う。確かに古いもの=ダサイというイメージを持ってしまいやすい今の風潮だが、長く民族や地域の中で育まれた文化というものは一度踏まえて自分の中で消化する価値のあるものだと私も思っているので共鳴してしまった。

トークゲストで出てきたアサノコウタさんは櫓の設計者でプロジェクト事務局でもある。彼の解説で動く設計画面を映像で見て若い世代の感覚に感心至極。

もう一人のトークゲストは福島生まれで福島でご両親と建築士の仕事をしている遠藤知絵さん。30歳独身女性を強調したのは今はまだ子供のいない人間の感覚で、本当に悩んでいるのは小さい子どもを持ったお母さんたちで、その気持ちを受けとめながら仕事をしていこうと思っているとのこと。さらに「今日は広島に原爆が落とされた日ですが、広島・長崎・沖縄・神戸の方々の苦しみと生きてこられた先人の方々に学んで福島でやっていきたい」という言葉に私も共感!坂本、大友両氏もこういう人がいれば安心して託せるというようなことを言っていた。
トーク企画は大満足!

続いて「大友良英×テニスコーツ アコースティックライブ&トーク」。テニスコーツの曲がまともな歌詞があまりない歌が続き、とまどう。大友さんもバンジョーやエレキギターで加わっている。バンジョーの丸い面を叩いたり音叉で弦を叩いたりしてノイズを出して音を彩る。面白いんだけどね、ちょっとこういう音楽は苦手なんだよねぇ。

ある曲の歌詞に「好みじゃないもの」「のぞみじゃないもの」「面白いんじゃない」という繰り返しが出てきて考えさせられる。
自分の好みじゃないものでも望んでいないことが起きても面白がってそういう状況の中でやっていけるようになれっていうことかなぁ?
最後の曲は子どもの時代の学校の校庭で遊んだイメージの歌のようだったが、切れ切れのイメージをつないだ歌詞というのが私にはなじめず、少し我慢の修行モードで聞いていた。詩も自由詩はあまり好みではなく定型詩の方が好きなので仕方がなかった。
最近では、私も自分の好みではない作家の本にも少し手を出して、自分を揺さぶっているので、今回のライブもそんな体験になったと思えばいいのかなぁ。

民主主義の根幹は多数決ではなく、自分とは違った考えの人とも対話をして一緒にやれることを探っていくことだと思えるようになった。しかしながら、実践はなかなか難しい。議論好きではあるが対話はうまくできていないかも......。今からでも努力しないといけないなぁと反省。


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