ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

09/08/15 納涼歌舞伎第二部②勘三郎の「船弁慶」勘三郎の静御前と知盛

2009-09-10 23:37:56 | 観劇

2008年の菊五郎の「船弁慶」の記事はこちら。この記事にこれまでに観た舞台の感想のリンクもあり。歌舞伎座さよなら公演で勘三郎が是非上演したいと思っていたという「船弁慶」を観る。

【新歌舞伎十八番の内 船弁慶】義太夫狂言
あらすじは省略。今回の配役は以下の通り。
今回の配役は以下の通り。
静御前/平知盛の霊=勘三郎 源義経=福助
武蔵坊弁慶=橋之助 亀井六郎=松也
片岡八郎=巳之助 伊勢三郎=新悟
駿河次郎=隼人
舟長三保太夫=三津五郎
舟子岩作=高麗蔵 舟子浪蔵=亀蔵

橋之助の弁慶が立派。福助の源義経も美しく、松也・巳之助・新悟・隼人の四天王も若々しくキビキビと動いて好ましい。
勘三郎の静御前が花道に登場。壺折りの着付けの襟に入る束ねた髪がけっこう長い目でその黒さが白い顔を一回り小さく見せているような気がした。
それと『ほうおう』8月号で事前に読んでいたので衣裳に注目。襲名のお祝いに玉三郎からプレゼントされたものと5・6年前に入手した六代目菊五郎が着用したものを交互に着るということだった。玉三郎が能取り物の原点を探る演出での上演に向けて衣裳をつくる時に菊之助の分もつくったという話だったが、勘三郎の分もちゃんとつくっていたのかぁと納得。地の布は2色の大きな格子に花車などの豪華な刺繍がほどこされた色も鮮やかなものだったので、玉三郎からのものかと推測。千穐楽で買った筋書には2つとも写真が載っていて両方確認できて満足した。

義経が本当にここで帰れと言っているというが、弁慶が嘘を言っているのではないかと疑ってしまっている静御前。義経に会って真意を確かめて弁慶に謝る時のしおらしさ。義経に所望されて「都名所」を踊る時は二人で過ごした時をたどり、踊り終わった時の虚脱感。後ろ髪を引かれるような思いで去っていく様子。勘三郎は寂しい表情も実に切ない。

舟出の時刻となり、三津五郎の舟長と二人の舟子たちの舟唄を唄い踊る間狂言の場面に・・・・・・第一部・二部通し観劇の無理からか、ここで睡魔に襲われて瞼がいつの間にか落ちている。ハッと目を開けてまた落ちてを繰り返している間に終ってしまった。三津五郎は第一部で「六歌仙~」をちゃんと観たからゆるしてもらおう。

俄に黒雲が湧き海は荒れ、後シテ平知盛の霊の姿で勘三郎が登場して目が覚めるからゲンキンなもの。中学時代によくこの手で居眠りをしたっけなぁ。先生が冗談をいい始めると寝てしまい、重要なポイントをしゃべり出すと目を覚ますので、お前は要領がよすぎると笑われたっけ。要は気力体力が長続きしないだけなんだけど(^^ゞ

知盛は義経主従に襲いかかり、四天王が太刀をもって応戦。それを止めた弁慶が一心不乱に数珠をもんで祈ると振り上げた薙刀を支える腕の力が抜けてヘナヘナしてしまう。亡霊の力を祈り伏せる弁慶こそがタイトルロールなんだよなとあらためて思う。橋之助の弁慶はここでも実にカッコイイ。

勘三郎の知盛は黒いザンバラ髪が顔にあまりかからないので青隈を取った顔がしっかり見える。そのため、弁慶に祈り伏せられる時に目を見開き大きな口を開けて苦しむ表情がよく見えた。それでもよく頑張って何度も打ちかかるが徐々に弱っていく様子が哀れに思える。

義経の乗った船から遠ざかる知盛を舞台から見送って定式幕が引かれる。知盛の幕外の引っ込みは今回の3階正面のB席からは、最初だけ頭だけ見えるだけ。頭の中でイメージして余韻を楽しむ。まぁこれもいいもんである。
写真は歌舞伎座ロビーにあった納涼歌舞伎の「船弁慶」の特別ポスターを携帯で撮影したもの。舞踊公演で六代目の衣裳を着た時の舞台写真を使っているのではないかと推測。

浅田次郎の『蒼穹の昴』を読み終わり、続編の『珍妃の井戸』をブック・オフに探しに行った時に角川文庫ビギナーズ・クラシックス『平家物語』を105円コーナーで発見。『珍妃の井戸』に続けて読み始めたところだが、面白い。まだ、知盛は登場していない。歌舞伎のいろいろな演目で登場する人物のイメージを重ねながら読んでいくと楽しいと思う。
8/15お盆に納涼歌舞伎一部・二部を続けて観劇の簡単報告はこちら
8/15第一部①「天保遊侠録」は意外な収穫
8/15第一部②三津五郎の「六歌仙容彩」の5歌人
8/15第二部①福助の「豊志賀の死」


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