ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

12/01/03 CGアニメ映画「friends もののけ島のナキ」→「ともに生きよう!」

2012-01-03 23:59:06 | 映画(映画館、DVD、TVを含む)

1/3、天気も母の体調もよく、さいたま新都心で集合し、MOVIXさいたまで「friends もののけ島のナキ」を観ることを決行。
goo映画の「friends もののけ島のナキ」の情報はこちら
上記サイトより以下、あらすじを引用。
霧に隠された海の先には、“もののけ”が住むと恐れられ、近づくことさえ禁じられた不気味な島があった。ある日、そこに迷い込んだ人間の赤ん坊コタケ(声:新堂結菜)は、不思議なもののけたちに出会う。突然現れたコタケを目にして、大パニックを起こすもののけたち。実はもののけたちも人間に怯えて暮らしていたのだ。そこで暴れん坊の赤鬼ナキ(声:香取慎吾)と青鬼グンジョー(声:山寺宏一)がコタケの面倒を見ることになった。初めはケンカばかりのナキとコタケ。だが、一緒に暮らしているうちに、ナキの心の中には優しい気持ちが芽生え、2人はかけがえのない“ともだち”になっていく。だが、どんなに仲良くなっても、もののけと人間はずっと一緒にいることはできない。やがて悲しい別れの日が訪れるが……。

「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの山崎貴監督が、浜田廣介の童話「泣いた赤おに」をアレンジした3DCGアニメーションとのことだが、2Dで観賞(3Dは苦手)。
もののけ達は長生きで200年近く前に、人間と戦になり敗れて島に逃れて、その戦で赤鬼は母を亡くし、青鬼は母と別れ別れになった。その惨事は“もののけ”界でも人間界でもそれぞれへの恐怖として記憶・伝承されていた。
兄のタケイチが禁忌を犯して不思議なキノコを採りにやってきた舟にコタケが潜り込み、兄だけが追い払われたことから物語は始まる。人間に母を殺された赤鬼ナキだが、コタケと暮らすうちに気持ちが通いあう。
先に帰ったタケイチの話から、“もののけ”への警戒を強めていた村人は用心棒を雇う。コタケを帰してしまったものの、好物を届けたくて村にやってきてしまったナキを用心棒が襲う。青鬼グンジョーが助けるが途中で姿を消し、再び姿を現すと人間への復讐心を露わに凶暴な姿に変身。用心棒が逃げ出し、村人たちが追いつめられたところに、赤鬼がコタケや村人たちを守って闘い、青鬼を退散させる。
その姿に人間は“もののけ”が敵ではないと知り、ナキの怪我を治し、仲間として認める。そのナキが島に戻り、グンジョーを探すと・・・・・・「泣いた赤おに」の結果と同じことになる。ただし、グンジョーは母を探す旅に出かけたということなので、童話よりも救いはあったのが救いだった。

そして双方ともにお互いへの恐怖が払拭されて、ともに生きられる存在として認め合い、あらたな日々が始まったことがエンドロールのイラスト集で表現されているのも秀逸。

私も娘も涙、涙であった。母は寝なかっただけで偉かった(笑)
童話を踏まえているが、実に深い話になっていた。もののけ達と人間達の不幸な戦争からお互いへの不信と恐怖が植えつけられ、疎遠になっているというのは人間の世界の中でも戦争を繰り返す国々のあり方と同じだと思う。不信と恐怖を取り除く手段が、この作品の場合は青鬼のお芝居だったわけだが、人間どうしの戦争をなくすために必要なのは人間の「知恵」だろう。そうか、お芝居というのも知恵の産物だから、それも同じことだ。

戦争、天災、人災、そういう不幸なことを繰り返さないで、被災した人々にそうでない人々が「頑張れ」とか「頑張ろう」とか元気な人だけが言えるような言い方だけでなく、気持ちも寄り添って「ともに生きよう!」という語りかけ方で、「知恵」を絞って新たなしくみを作り出すことが必要なのだろう。そういうところまでイメージが広がる映画だった。
3DCGアニメーションはアメリカの二大メジャー(ピクサーとドリームワークス)の寡占状態にあるようで、それに日本勢が果敢に挑んでいる心意気もよし。

「ともに生きよう!」は最近の愛読誌『ビッグイシュー』で東日本大震災の被災者にかけたい言葉としてキャンペーンを始めてくれていることに共感しているので、私も使わせてもらっています。


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2 コメント

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なるほど (茲愉有人)
2012-01-04 10:30:55
原作の童話とアニメ映画の対比
人間ともののけの対比
赤鬼と青鬼の対比

いろんな切り口があって、おもしろそうですね。
受け止め方に広がりと奥行きがでてきそう・・・・

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★茲愉有人さま (ぴかちゅう)
2012-01-06 01:14:20
原作との大きな違いは、人間と“もののけ”の200年近く前の戦争をおいたことだと思います。そこからお互いを憎み恐れるような関係になってしまっているのです。
その関係性を変えることができたという物語なので、現代社会にひきつけて観ることができた次第です。
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