ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

10/08/21 第八回亀治郎の会の「四の切」、猿之助の芸の継承宣言!

2010-09-21 23:59:08 | 観劇

この8月は新橋演舞場の海老蔵の「四の切」との対決が話題だった。
「亀治郎の会」は国立劇場大劇場においての開催となり、「あぜくら会」メンバーへの割引案内もされるようになり、立派な企画になってきたなぁと感心してもいた。その「あぜくら会」メンバーとしてハガキで申し込んだがトラブル発生。当初予定していた公演最終日に観ることができなくなって前楽の観劇となったのは残念。
当日は私の夏風邪により、「道行初音旅」には間に合わず。これも実に残念だが観ることができただけでもよしと思うことにした。

今回が私の初「亀治郎の会」。亀治郎がどんなことを考えているのかということに関心があったので、2500円と劇団☆新感線ばりのお高いプログラムもえいっと購入。A5版のハードカバー本!写真にあるような折り畳みページもある。亀治郎の錦絵コレクションを活用している。さらに絵の一部を自分の写真に差し替えていたりと遊び心がいっぱい。
また、期待にたがわず亀治郎が語っている内容が実に面白い。「そして僕はなぜインタビューで嘘をつくのかについての考察」・・・・・・「適当にしゃべる。嘘とホントを綯い交ぜにしてね」・・・・・・「だから僕はファン限定のサイトとか、つまりこの『亀治郎の会』のプログラムとか、そういうところでしか本当のことは言わない。でも、書かない。これも、嘘かもしれない。そして僕について他人が書く『亀治郎論』なんて一切信用しないし、いらないよ」
これだけで買ってよかったと思ってしまう。
そして伯父の猿之助の芸の継承を「澤瀉屋の宿命」として本気で取り組むことを宣言している。伯父の狐忠信の色紙絵を表紙裏をはじめ何枚も入れているし、これまで取り組んだ役々の舞台写真を猿之助のそれと見開きで並べているしと、芸の継承の本気度が120%伝わるプログラムとなっている。

さて、猿之助四十八撰の内「義経千本桜」川連法眼館の場をじっくり観た。竹本は葵太夫というのが実に嬉しい。
今回の配役は以下の通り。
佐藤忠信実は源九郎狐=亀治郎
静御前=芝雀 源義経=染五郎
川連法眼=寿猿 飛鳥=吉弥
駿河次郎=門之助 亀井六郎=亀鶴

川連法眼夫婦のやりとりはこちらも短縮バージョン。染五郎が義経で出ているのが亀治郎との共演を重ねている関係性を思わせる。頑張ってはいるのだがどうも小忌衣が似合わない。義経の台詞も聞き取りにくい。芝雀の静御前は初めて観たが、義経の愛妾という可愛らしさ、芝居の中の確かな存在感がある。門之助が義経で並ぶ方がいい感じだが、せっかくの賑やかな配役ということで割り切ることにする。
亀治郎の生締姿の佐藤忠信は、やはり小柄なところで損をしているが、目の力の強さ、義太夫の糸に乗った動きが見応えがある。腰元連中も京妙、京蔵以下の京屋のお弟子さんたちが並び、実に本格の舞台。

初音の鼓を使っての静の詮議。鼓の音に誘われて階に姿を現す源九郎狐。ここからはもう亀治郎の忠信に酔いしれる。女形の高い音域を生かした狐言葉は聞き取りやすく、小柄な身体の敏捷な動きに見惚れる。親を思う気持ちが可愛い可愛い狐の子なのだ。

ばかされの法師との立ち回りも狐が指先で操っているという支配感が強い。桜の木陰での動作が糸に乗っている。

最後の宙乗りも両親の鼓をかき抱き、宙で何度も打ち叩いては喜びを爆発させている。その様子は親子の会話がはずんでいるように見えた。ブログのお仲間の記事で、宙乗りで拍手を誘うポーズがあったという指摘を見受けたが、私は鼓を打っているのがそう見える方がいたのだろうと推測した。

プログラムの最後の方で「はっきりと宣言しますが、『亀治郎の会』は第10回をもって終わります。」と大書されていた。第9回は2011年8月19~21日という謹告もあり。これはあと2回、しっかりと観ないといけないと決意した。
後半の「上州土産百両首」もかなり面白かったので、別に感想を書くつもり。
「上州土産百両首」の記事はこちら


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6 コメント

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★hitomiさま (ぴかちゅう)
2010-10-01 22:50:32
TBがうまくできないとのメール拝読しました。私もそういう場合を想定して、TBもするつもりの記事へのコメントのURL欄には該当記事のURLを入れておくようにしています。上記のコメントをそのように設定して入れ直してみましたのでご参照くださいませm(_ _)m
hitomiさんは学生時代を京都で過ごされているので京都への遠征は懐かしく心はずむものでしょうね。私も大阪の事業所勤務の頃に一度は南座に行っておけばよかったと思いますが後の祭り。といってもその頃は歌舞伎は全く鑑賞の対象外でしたから仕方がないですね。
23日には何年かぶりかで妹の家に遊びに行き、御園座の初観劇を楽しみにしています。昼の部終演後に待ち合わせしましょう(^_^)/
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Unknown (hitomi)
2010-10-01 22:42:37
南座は見やすくていいですよ。三階席でもとても舞台に近くて好きです。東山を通るバスはロケーションがいいのですが時間かかり、(三十三間堂、赤レンガの美術館、清水、八坂)遅刻しそうになるので河原町までバスで行き歩く方が早いです。
南座のすぐ横に鴨川、その対岸にヴォーリズ建築の中華屋さん東華采園があり外観観るだけでも楽しいです。
御園座は横幅広すぎあんまり見やすくないのです。劇場外観も昔の方がよかったみたいです。
御園座西に五人男のからくり時計があるので是非ご覧ください。往年の役者の声も出ます。近くの東寿司は役者さんも来るし建物も有名です。
家電の買い替えは頭が痛いです。スカパー、LDも困っています。
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★hitomiさま (ぴかちゅう)
2010-09-29 01:34:16

NHKの朝ドラの後の「あさイチ」は番組スタート時にミニブタをスタジオに入れて「可愛いでしょ」を押し付けるのがまず嫌でした。番組の随所にミニブタのイラストを使いたいからだとは思いましたが、ミニブタって大きくなって邪魔にされるペットらしいですからね。やっぱり大きくなったらスタジオに置いておかないだろうんじゃないかなぁと思ってます。
亀治郎のプレミアムトークの後半は録画にしておいて見ました。ブログのお仲間のところで有働アナが猿之助を「さるのすけ」と誤って読んでしまったのが話題になっていましたが、私もずっこけました。亀ちゃんが江戸時代は「さるのすけ」とか「さるのじょう」と呼ばれていたのが、後の時代に「えんのすけ」と読むようになったとうまくフォローしてあげていましたね。
反対に亀ちゃんが「国営放送」と言った時、有働アナがすかさず「公共放送」と指摘してました。亀ちゃんもシニカルに言ったんじゃないかと思うのですが、間髪を入れずに訂正を入れるなんて、さすが管理職アナだと思いました。私は彼女のしゃべり方や態度が上から目線モードなのがあまり好きじゃないのです。ですから「さるのすけ」発言に、英語は得意そうだけれど日本の伝統文化の教養はないのねフーンと思ってしまいましたよ。お詫びにちゃんと亀ちゃんの舞台を自腹で観に行くべきだと思います。
番組の締めくくりに定式幕の色の下地に「ブタイ大好き」のイラスト入りのパネルをミニブタの台につけて出してました。ミニブタが鼻で押して落としてしまいましたが、くだらないなぁと思いました。
京都南座は一度は行ってみたいです。一昨年暮れのイタリア旅行以来、遠出はしていませんが、来月の名古屋の御園座が遠征の第一歩です。今年はボーナスも大幅カットされたのに、テレビやデッキ、パソコンの買い替えで大出費。玉三郎丈のTV特番を録画できたのが嬉しいです。DVDに焼くのを覚えないといけません。新型の機械の操作を覚えるのは一苦労です(^^ゞ


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Unknown (hitomi)
2010-09-28 18:41:00
アサイチの女子アナには驚愕しました。亀治郎さんも上手い役者ですね。
昨日通しで海老蔵の南座公演観ました。今年の九月はかつてないほど観劇、美術イベント観てしまいました。
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★六条亭さま (ぴかちゅう)
2010-09-27 22:25:43
TBも有難うございますm(_ _)m
歌舞伎座がなくなり、演舞場の行き帰りに解体工事のシートに包まれた建物を透かし見ています。なかなかお会いする機会がなくなってしまいました。六条亭さまが初日近辺、私は公演の後半のみにしているせいでしょうか。
買い替えたPCもようやく始動させることができ、記事アップがおっくうでなくなって一ヵ月遅れですが「第八回亀治郎の会」も連続してアップした次第です。プログラムも思い切って買って読みました。「亀治郎かく語りき」のところでは、猿之助の芸の継承を宿命としてとらえていることがはっきりと語ってました。昨日のNHK「アサイチ」にも登場してテンションアップ(実はその前日にさいたま芸術劇場で遭遇。それも記事アップしてますが(^^ゞ)。ちょうど連続アップのタイミングなので感無量でした。
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亀治郎の会 (六条亭)
2010-09-27 00:06:38
ぴかちゅう さま

ご無沙汰をしています。歌舞伎座閉場後は観劇回数が自然と減りまして、お会いできる機会は少なくなりましたね。

ご体調とともにPCも不調だったようですが、今年の夏の暑さは格別でしたから、人間だけでなくPCもネを上げたものと思います。それでも新しいPCに買い替えられたようで、よかったですね。幸か不幸かMy PCは今のところどこといって悪い箇所はなく、当分XPマシーンのままになりそうです(^ ^;。

亀治郎の会の感想連続アップはご苦労様です。私はその二が滞っているままです。プログラムも買いませんでしたから、情報はありがたいです。

亀治郎さんは間違いなくライフワークとして澤瀉屋の芸の継承に取り組んでゆくものと思われます。今後の動向が要注目ですね。

TBをうちました。
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