ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/05/25 團菊祭千穐楽夜の部①「雨の五郎」「三ツ面子守」

2007-05-25 23:57:13 | 観劇

時間があまりとれないので、まずは舞踊2本から。いずれも初見。奥村書店で古本を手に入れていた『歌舞伎名作舞踊』にそれぞれ見開きで載っていたのを事前に読めずに重たいのに本を持ち込んで直前に読むという付け焼刃!イヤホンガイドとあわせてしっかりチェックしたおかげか睡魔はやってこなかった(^^ゞ

【雨の五郎】長唄舞踊
奥に長唄の台がある。その前に曽我五郎(松緑)が蛇の目傘をしょっている。花道から登場するんじゃなかった。雨をあらわす吊り物もなかなかいい感じだ。
父の敵討ちを控えているというのに、大磯の廓の馴染みの傾城・化粧坂の少将のもとに向かっている。少将からの恋文に心を動かされてのことらしく、天紅の手紙を読み直したりしている。隈取をとった荒事の拵えに女にほだされての廓通いというのがいいらしい。そこを若い男ふたりにからまれて立ち回り風になってという変化も入ってくる。短いので退屈する間もないのも有難い。
松緑は昼の部の「泥棒と若殿」もよかったし、夜の最初の「女暫」の男鯰もよかった。こういう荒事の拵えはとても似合う面構えだし、登場の時から、衣裳が写真などでよく見る黒繻子ではなく白地だしと登場から喜んでしまった(あとから筋書を読むと祖父に倣ってとのことだった)。けっこう満足できてよかった。

【三ツ面子守(みつめんこもり)】常磐津舞踊
赤ん坊を背負いねんねこを着て、手にお面をつけた笹を持った子守の少女姿の三津五郎が駆けてきて登場。子守の女の子がてぬぐいを頭に巻いているのは赤ん坊に髪の毛がさわらぬようにするためだということをイヤホンガイドで聞いて「へぇ~」とやけに感心してしまった。子守のトレードマークに合点!
本舞台でねんねこと赤ん坊を下に降ろして寝かしつけてしまう。赤ん坊が寝ている間が子守の自由時間。そこで踊り始めるのだが、頭のてぬぐいをとってニッコリするとその可愛さにまた驚く!TVで観た「京鹿子道成寺」の花子などより遥かに似合っている。また前観たなんとか坊主よりも数段観る気になる可愛さだ。
赤ん坊が起きてしまうと笹についた3つのお面を付け替えて踊って赤ん坊をあやす。おかめ、恵比寿、ひょっとこの面をつけ替えるのだが、くわえて踊るというお面は歌舞伎独特だという。差し金付きの鞠をついたりと小道具も多いが、後見との息もあってスムーズで感心。変化の多い踊りでこれも飽きない。三津五郎の踊りの巧さに心地よく観ることができたし、庶民の少女役がこんなに可愛いなんてと新たな魅力発見。
考えてみると「泥棒と若殿」のコンビだった。2本の舞踊を続けざまに観たが、それぞれ面白く、予想以上に楽しめたのがよかった。
写真は歌舞伎座正面の「御礼本日千穐楽」の垂れ幕。雨風に揺さぶられている。
以下、この公演の別の演目の感想
5/13昼の部①團菊の「勧進帳」
5/13昼の部②「泥棒と若殿」
5/13昼の部③「切られ与三」「女伊達」
5/25千穐楽夜の部②萬次郎の「女暫」
5/25千穐楽夜の部③「め組の喧嘩」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿