ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

05/09/07 『おとなの夏休み』終わる

2005-09-08 00:59:59 | テレビ

水曜夜10時のお楽しみドラマだった『anego』の後を受けた『おとなの夏休み』も今日で終わった。視聴率は段違いだったようだが、私はご贔屓の寺島しのぶ主演なのでしっかり観ていた。一緒に観ていた娘もすっかりしのぶファンになってしまった。
みゆき(寺島しのぶ)は結婚10年で介護ヘルパーパートをしながらマイホーム取得を夢見ている主婦。ところが一人息子はいい子に育っていたはずが脅迫神経症になっているし、夫との夫婦関係は実際は倦怠期に入っていて、夫は一方的に自分だけが一生懸命働いて家庭を守ってきたと思っているのがある日わかる。
そこで「リセット」ということで介護していたおばあちゃんの遺言で「海の家」の営業権を譲られたのを契機に友人すみ子(オセロの中島知子)や亡くなったおばあちゃんの孫・優(中越典子)と3人の女で「プチ・タミ」という名の「海の家」を最初は夜だけ途中から昼もやるという話。
3人の女の恋愛模様もいろいろあって面白かった。みゆきはキャリアウーマンのすみ子の方に夫(石黒賢)の気持ちが行ってしまったり、夫の部下(大倉孝二)から言い寄られたり、優も水中カメラマンの彼といろいろあったり...。

『anego』に比べれば、地味な感じのドラマだった。また現実にはこんなことないだろうという話の内容だったりもしたが、不思議に引き込まれて毎回なるべく観るようになっていた。湘南の海もTV画面を見てるだけで満足。実際に行くのは暑くてねえ。
それにドラマのエンディングの歌も70~80年代の夏のヒットナンバーで、私にとっては懐かしかった。「モンローウォーク」は郷ひろみが歌ってたなあ、なんて。
第1話:「勝手にシンドバッド」/サザンオールスターズ
第2話:「渚のシンドバッド」/ピンクレディ
第3話:「モンローウォーク」/南 佳孝
第4話:「何も言えなくて...夏」/JAYWALK
第5話:「時間よ止まれ」/矢沢 永吉
第6話:「君は天然色」/大滝 詠一
第7話:「ふたりの夏物語」/杉山 清貴&オメガトライブ
第8話:「Mr.サマータイム」/サーカス
第9話:「真夏の出来事」/平山 みき
第10話:「高気圧ガール」/山下 達郎

今日で最終回。みゆきの夫は彼女が残していった離婚届に自分が押印する時になって初めてみゆきが10年間地道に家庭を支えてきたことの有難さに気づくが、許してはもらえないと役所に提出してしまった。そこに息子とともにみゆきは戻ってきて...同棲で再スタートを切ることになる。でも~、子どもがいるのに親権とかなんとか話し合わないで離婚届って書けるわけ~???それも彼女にとっては夫へのラブレターのつもりで書いて置いておいたのに「出しちゃったの?」とか言ってるし。ありえない...でもいいことにしよう。
息子もこのひと夏でたくましくなってたし、すみ子も優も仕切りなおしができた夏。ひと夏だけの「海の家」営業だったはずなのに、営業権譲渡契約書を優が父から取り返し、来年もまたやろうと盛り上がって終わる。ありえない話なんだけど、なんか面白かった。

寺島しのぶはドラマ初主演だったらしい。映画で女優賞をとった「赤目四十八瀧心中未遂」「ヴァイブレータ」などでは暗い暗い主人公を演じ、情念を演じさせたらすごいぞというイメージが定着している彼女がこういう普通の主婦役を演るというのはどうよ、という感じだったかもしれない。確かに地味で重たいイメージが強い女優なんだけど、彼女が子どものような笑顔を見せる場面、自分を投げ出すように泣く場面とかを観ると、この振り幅が魅力なんだよなとか思ってしまう。
しのぶにない派手目な感じをオセロの中島知子と中越典子が補ってたのかな?中越典子、大河の徳子よりはいい役だった。あと中島知子、みゆきの夫が迷う魅力をうまく出せていた。大倉孝二、だめ男の惨めさとか一生懸命さとか滲ませてなかなか可愛いぞ。
写真はDVD BOXの写真。写真は夏っぽく爽やか。