読者の方から「コンサート情報を詳しく知りたいのですが」とコメントが来たので、できる限り詳細に述べる。
演奏順は当日発表。上記とは異なります。
これまで2回開催した「佐伯周子 ベーレンライター新シューベルト全集に拠るピアノソロ曲完全全曲演奏会」を通じて、次の点は明言できる。
以上である。
まず「1番目」であるが、これまでの演奏会で最高に良かったのは 「ピアノソナタ第14番イ短調 D784」で、次が「ピアノソナタ第15番ハ長調 D840」である。「未完成ピアノソナタ D655」 や 「断片ピアノソナタ D769A」や、「楽興の時 D780」の3曲(第3番,第4番,第6番)もなぜか D784 & D840 の域には達しなかった。技巧的には D784 と D840 の方が遙かに難しいのだが、「大曲ほど燃えるピアニスト」のようだ。
今回は
と「大曲が3曲」あるので、私高本は期待している。
次に「2番目」であるが、「シューベルトの軽やかさ」をこれほどうまく演奏する演奏家は少ないように思う。また「深淵な暗さ」も今回の曲目では
ではっきり呈示されるので、ご自身の耳でご確認頂ければ幸いである。
さて「3番目」であるが、ショパンやスクリャービンも魅力ある演奏だったが、シューベルトははっきりそれらを上回っていた。今後も「シューベルトオンリーのピアニスト」として活動するワケではなく、他の作曲家も演奏する予定(本人談)とのことだが、次回東京公演では 「リスト:ロ短調ソナタ」も演奏することが内定している。『技巧的な安定 + 古典的な形式感』の双方が備わっているピアニストの強み、だと感じる。
そして「4番目」であるが、「ベーレンライター新シューベルト全集」はピアニストからは極めて評判が悪い。日本語で読める資料として、『世界最高のシューベルトピアニストの1人 = 内田光子』の発言として、D946 に対する暴言がある。広くTV(NHK)でも放映されたので、有名であるが、
のである。「佐伯周子 シューベルト全曲」は、全て【正規版】で演奏するので、この点については安心して頂きたい。
さらに「5番目」であるが、これまでの2回を聴きに来て頂いた方のアンケートが「ベートーヴェンのようなシューベルト!」と言う内容を多数頂いた。確かに、これまでの「シューベルト演奏家ピアニスト」として考えられる方々 = ブレンデル,クリーン,B=スコダ,デムス,シフ,内田光子,田崎悦子,館野泉,田部京子 などに比べると、
ことは明確。是非ご自分の耳で確かめてほしい。
最後の「6番目」であるが、「ベーゼンドルファーインペリアル」の響きをうまく引き出すピアニストとして、B=スコダ や 岡原慎也 に匹敵すると思う。(クリーンやデムスよりも上だと、私高本が聴いた演奏会の中では断言できる。単に、クリーンやデムスの調子が悪かった演奏会に当たった可能性は相当に高いのだが)
今回の演奏会も「日本ベーゼンドルファー後援」を頂いて、最高の状態で「ベーゼンドルファーインペリアルを整調&整音」して頂けるのが心強い。尚、前回公演の経験からすると「日本ベーゼンドルファーの技術者」がぎりぎりまでピアノの状態を向上させるために、開場時間が延びる可能性が高い。これだけは納得して頂きたい。小ホールロビーの椅子には座れるように 18:30 には「チケットもぎり」は必ず開始する。 「ベーゼンドルファーファン」の方は是非是非聴いてほしい!
佐伯周子 シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.3
- 日時 : 2007年8月8日(水)18:30開場予定(少し延びる可能性あり) 19:00開演
- 会場 : 東京文化会館小ホール(JR上野駅公園口から徒歩1分)
- 使用ピアノ : ベーゼンドルファーインペリアル(全長290cm,97鍵盤)
- 全席自由 3,000 学生1,000(当日券あり、17:15から発売開始)
幻想曲全曲
- 幻想曲 ハ短調 D2E「モーツァルト幻想曲」(1811)
- 幻想曲 ハ長調 D760 作品15「さすらい人幻想曲」(1822)
- ピアノソナタ第18番 ト長調 D894 作品78「幻想ソナタ」(1826)
- 幻想曲 ハ長調 D605A 「グラーツ幻想曲」(1827?)
演奏順は当日発表。上記とは異なります。
佐伯周子のシューベルトの魅力
これまで2回開催した「佐伯周子 ベーレンライター新シューベルト全集に拠るピアノソロ曲完全全曲演奏会」を通じて、次の点は明言できる。
- 大曲ほど演奏が充実している
- 「シューベルトの軽やかさ」と「シューベルトの深淵な暗さ」が両方表出される
- シューベルトは相性が良く、ショパンやスクリャービンをはっきり上回る
- ベーレンライター新シューベルト全集の楽譜&校訂報告に対して極めて忠実であり、「ダイナミクスの巾」と「テンポ設定」がうまくマッチしている
- 「ベートーヴェン的な激しさ」が「シューベルトの大曲の底流に流れている」ことが実感できる
- ベーレンライターインペリアルの「ウィンナトーン」をとてもうまく引き出す
以上である。
まず「1番目」であるが、これまでの演奏会で最高に良かったのは 「ピアノソナタ第14番イ短調 D784」で、次が「ピアノソナタ第15番ハ長調 D840」である。「未完成ピアノソナタ D655」 や 「断片ピアノソナタ D769A」や、「楽興の時 D780」の3曲(第3番,第4番,第6番)もなぜか D784 & D840 の域には達しなかった。技巧的には D784 と D840 の方が遙かに難しいのだが、「大曲ほど燃えるピアニスト」のようだ。
今回は
- 幻想曲 ハ長調 D760 作品15「さすらい人幻想曲」(1822)
- ピアノソナタ第18番 ト長調 D894 作品78「幻想ソナタ」(1826)
- 幻想曲 ハ長調 D605A 「グラーツ幻想曲」(1827?)
と「大曲が3曲」あるので、私高本は期待している。
次に「2番目」であるが、「シューベルトの軽やかさ」をこれほどうまく演奏する演奏家は少ないように思う。また「深淵な暗さ」も今回の曲目では
- 「さすらい人幻想曲」D760 第2楽章
- ピアノソナタ第18番D894 第2楽章第2主題
ではっきり呈示されるので、ご自身の耳でご確認頂ければ幸いである。
さて「3番目」であるが、ショパンやスクリャービンも魅力ある演奏だったが、シューベルトははっきりそれらを上回っていた。今後も「シューベルトオンリーのピアニスト」として活動するワケではなく、他の作曲家も演奏する予定(本人談)とのことだが、次回東京公演では 「リスト:ロ短調ソナタ」も演奏することが内定している。『技巧的な安定 + 古典的な形式感』の双方が備わっているピアニストの強み、だと感じる。
そして「4番目」であるが、「ベーレンライター新シューベルト全集」はピアニストからは極めて評判が悪い。日本語で読める資料として、『世界最高のシューベルトピアニストの1人 = 内田光子』の発言として、D946 に対する暴言がある。広くTV(NHK)でも放映されたので、有名であるが、
- 内田光子は新シューベルト全集の「黄色い普及版」を読んで批判したのであり
- 新シューベルト全集の「灰青色の高価正規版」では D946 の問題も全て明瞭に記述されている
のである。「佐伯周子 シューベルト全曲」は、全て【正規版】で演奏するので、この点については安心して頂きたい。
さらに「5番目」であるが、これまでの2回を聴きに来て頂いた方のアンケートが「ベートーヴェンのようなシューベルト!」と言う内容を多数頂いた。確かに、これまでの「シューベルト演奏家ピアニスト」として考えられる方々 = ブレンデル,クリーン,B=スコダ,デムス,シフ,内田光子,田崎悦子,館野泉,田部京子 などに比べると、
はっきり構成感が浮き出てくる
ことは明確。是非ご自分の耳で確かめてほしい。
最後の「6番目」であるが、「ベーゼンドルファーインペリアル」の響きをうまく引き出すピアニストとして、B=スコダ や 岡原慎也 に匹敵すると思う。(クリーンやデムスよりも上だと、私高本が聴いた演奏会の中では断言できる。単に、クリーンやデムスの調子が悪かった演奏会に当たった可能性は相当に高いのだが)
今回の演奏会も「日本ベーゼンドルファー後援」を頂いて、最高の状態で「ベーゼンドルファーインペリアルを整調&整音」して頂けるのが心強い。尚、前回公演の経験からすると「日本ベーゼンドルファーの技術者」がぎりぎりまでピアノの状態を向上させるために、開場時間が延びる可能性が高い。これだけは納得して頂きたい。小ホールロビーの椅子には座れるように 18:30 には「チケットもぎり」は必ず開始する。 「ベーゼンドルファーファン」の方は是非是非聴いてほしい!