『バレエ,おもちゃ,パリ』をテーマに全プログラムに「ブラヴォーの嵐」が降り注いだ カンブルラン指揮読響定期演奏会
「信じられない高み」を徹頭徹尾聴かせてくれた演奏会だった。同じ傾向のプログラムビルディングであった『全盛期(=常任指揮者時代)のデュトワ + N響』と、ドビュッシー「牧神の午後の前奏曲」とストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」が完全に重なった(カンブルランが意図的に重ねた可能性は極めて大!)プログラムだったが、
『全盛期のデュトワ + N響』をはっきり上回った『カンブルラン + 読響』をはっきり聴かせてくれた定期演奏会!
となった。この演奏会を 佐伯周子 と聴けて、本当に幸せである。
カンブルランは「東京交響楽団音楽監督 = スダーン」と並んで、「年度プログラムのテーマ」を前面に打ち出し成功させる指揮者である。個人的には、カンブルランの方が好みに合う(爆
理由はおそらく「1回1回の演奏会にテーマを設定する」パターンが多いからだろう。その分「詳細テーマ」を設定できるからだ。(私高本は猫頭なので、佐伯周子演奏会にて「ベーレンライター新シューベルト全集に拠るピアノソロ曲完全全曲演奏会」しか設定できない(爆涙)
カンブルラン は『バレエ,おもちゃ,パリ』をテーマにこの日の「定期演奏会」を構想したハズ。
・・・で、読響の制作部&営業部は「何回まで、このプログラムを引き伸ばせるか?」を検討したようだ。「牧神の午後の前奏曲」+「ペトルーシュカ」は問題無かったが、「おもちゃ箱」が集客力が無い! と判断した様子。これだけ「ラロ:スペイン交響曲(ヴァイオリン:松山冴花)」に差し替えて、プラス2公演(= 計3公演)を企画した(らしい)。確かに「ドビュッシー:おもちゃ箱」は私高本はナマでは初めて聴く曲である。生誕150年なので、在京他オケでも今年度演奏されるが、極めて珍しい状況と断言して良いだろう。(・・・って、断言できるほど、「ドビュッシー」に注目していたか? > 私高本???)
『カンブルラン + 読響』は『全盛期の デュトワ + N響』を上回った「ダイナミクスレンジ と アーティキュレーション」で描き切った
ことが、あまりの衝撃だ。「デュトワ得意のドビュッシーとストラヴィンスキー」の代表作で、だからなあ。
ストラヴィンスキーは著作権が切れていない上に、スコアの段数が余りに多いので、スコアを読んでの詳細批評では無い。ドビュッシー は(女性から恨まれたのか?)長生きしなかったので、とっくの昔に著作権が切れている(爆
「私高本の批評」が正当か? 不当か? は、「2012.12.20 に 日本テレビ地上波にて放映予定」とデカデカとサントリーホールに掲載されていたので、時間がまどろっこしいだろうが、確認可能である。8ヶ月後の放映にて是非是非確認して欲しい。
「カンブルラン + 読響」には、任期延長をさらに続けて欲しい。これだけの高みに達した在京オケは、私高本が聴く限り、「東京初」である。来週の「フランク:交響曲ニ短調」が楽しみでならない。