Piano Music Japan

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堺シティオペラ「グノー : ロメオとジュリエット」2013.09.07初日公演批評(No.2334)

2013-09-07 23:21:39 | 批評

終幕(第5幕)の「ロメオとジュリエットの死」にピークをきちんと持っていった 圧倒的な説得力を持つ 粟國淳演出:堺シティオペラ「グノー:ロメオとジュリエット」


  私高本は「フランスオペラファン」であり、「イタリアオペラ」以上にフランスオペラは(オペレッタを含めて)大好きである。グノー「ロメオとジュリエット」も大好きな作品であり、過去に2公演をそれぞれ2キャストで聴いているので、この日が5回目の生での公演を聴くこととなった。過去4日共に素晴らしい公演であり、大いに期待して堺市民会館に向かったのだが、期待を越える素晴らしい名演を聴けた。


グノー : ロメオとジュリエット の上演の難しさの1つは、「話の筋」としては第5幕 がピークなのだが、アリアは第5幕では派手なモノが無い!


がある。グノー が指示したことなのか? 台本作家の バルビエ & カレ が自発的に行ったことかは不明だが、

グノー : ロメオとジュリエット では、『ロメオが死ぬ前』にジュリエットが息を吹き返し、2重唱を歌い上げるのがピーク! になると納得度が最も高い


であるのだが、

「狂乱の場」や「メリスマひけらかし」は、前の幕までで出し尽くしており、演出家が相当に「テコ入れ」しないと、ピークが第5幕には来ない(泣)


  これが「グノー : ロメオとジュリエット」上演の最大の難関である。


この「台本設定」と「音楽設定」のズレ


が、グノー「ロメオとジュリエット」の問題点。これを見事に解消していた 粟國淳演出 には、舌を巻くばかりである。


 明日の楽日公演も聴く。キャストに拠る変動なども、明日公演を聴くと判明する。この素晴らしい

堺シティオペラ「グノー : ロメオとジュリエット」を1人でも多くの人に聴いて欲しい!


と、熱望する。指揮者 = ヤニック・パジェ は、もっと「場面転換」で表情を大きく付けて欲しい、とか、細かな点は要望があるのだが、「付ける指揮」で素晴らしい。それから、今回初めて聴いたのだが『大阪音楽大学 ザ.カレッジ.オペラハウス管弦楽団』は「オペラ慣れ」している。これは素晴らしい。
  
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