Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

上野優子ピアノリサイタル 批評(No.1742)

2010-04-27 19:07:57 | 批評

「技巧の冴え」が支える抒情性


  これまで「ロシア音楽」をメインのレパートリーに演奏&録音を聴かせてくれた 上野優子 が「日本ショパン協会例会」にて、「パリ」をテーマにした演奏会を開いた。(2010年4月24日、カワイ表参道「パウゼ」)

  1. モーツァルト : ロンド イ短調K511

  2. ラヴェル : ソナチネ

  3. ファリャ : 「ベティカ幻想曲」

  4. ショパン : 練習曲集作品10 全曲


と言うプログラムで、アンコールは

  1. ボルトキエヴィッチ : プレリュード第7番

  2. ショパン:幻想即興曲


であった。


 上野優子 の最大の魅力は「技巧の冴え」。ファリャの同音連打の燦めきの連続や、ショパン「練習曲集」が全く難しさを感じさせずに「音楽」だけに集中される。ファリャは(日本では)取り上げられる頻度が高く無い作曲家の1人だが、上野の演奏を聴くと1人でも多くの人に聴いてほしい作品。スペイン情緒が「これでもか!」と言うほど内から溢れ出て止まらない音楽作り。「ギターを模したピアノ」は、運動性が信じられないほど必要であり、上野でなければこの曲の魅力は伝えられないのかも知れない。
 ショパン「練習曲集 作品10」では、第8番から演奏にひときわ「ノリ」が良くなり、プログラムラストまでとアンコール2曲は、推進力の強さはひときわであった。中でもアンコール1曲目の ボルトキエヴィッチ:プレリュード第7番 は、白眉の演奏!

 配布される「プログラムノート」も全て 上野優子 が書いた上に、アンコール1曲目前には挨拶もあり、才色兼備の若手ピアニストとして今後の活躍が大いに期待される。本年11月25日(木)から「5回シリーズ」で開始されることもアンコール時に発表された。毎回、ボルトキエヴィッチ の曲が全5回に配されるプログラムとのこと。これは本当に楽しみでならない。(会場は今回と同じ カワイ表参道「パウゼ」)
コメント
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