ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

愛のむきだし@京都シネマ

2010-01-04 12:29:58 | 映画感想
え゛・・・、宮台?
をををを、宮台真司だ! :-O

宮台真司は儂が修士論文を書く時にだいぶ参考にさせていただいていた社会学者。いろいろ言われている人だけれど、とても面白く現実的な論を展開することに違いはないです。
その人が、新興宗教の教祖役で出演していた(驚)。
#本人はカルトについての研究もあるので、適役立ったのかも♪

ゆら帝だ!
音楽ゆら帝だ!
ちょっとゾクゾク(謎)

さて、映画。
#(注:これは映画のレビューです☆)

凄まじい。。。
#「凄まじい」っていう字の感じが「凄まじい」な。。。

勿論、
237分という上映時間もそうなんだけれど、登場人物がもう凄まじくってなー。
「実話をもとに」って言っていたけれど、ホントか?本当にこんな話があったのか? 知っている人いたら教えてください(願)
登場人物で言うと、主人公の「ユウ」・「カオリ」・「コイケ」。

懺悔するために罪を探し、罪悪感のないまま罪を重ねるという本末転倒。それだけ聞いたらあり得ない事だけれど、純粋さのゆえにあり得る必然がある。このユウの純粋さの果てしないこと。紛れもなく最後の最後までこのストーリーを引っ張るのはこの純粋さですわ。純粋の精神によって、カルトの洗脳の前にも勃起しないでいられる強い意志が生まれるのです(見た人なら意味がわかるね?)

しかしなぁ、男ってどーしてこう非道い女の人を好きになっちゃうんだろう。殺す勢いで愛を押しつけてくる、自己中で究極に迷惑千万な女を、それでも好きという後ろめたさのせいで、地位も名誉も捨てるって事は。。。。あるのだよね、男は純粋だから。男は好きだと感じてしまった女の傲慢さの前でなす術は(限りなく少)ない。男はねぇ、やっぱり女に勝てないのです。あー、もう、純粋なんて格好つける必要ないな、馬鹿ですよ、馬鹿。
でも馬鹿につける薬はないし、仕方ないのでしょう。永遠の持病です、男の。

で、安藤サクラって人は奥田瑛二の娘さんらしい。
こわいよー、この人こわい(役柄上の話ね)。昔、漫画で読んだ「座敷女」に通ずる類のこわさ。
しかし、この中の登場人物で一番破滅的で淋しい生き方をしてしまったのが彼女。
その才能を新興宗教の中で開花させ、教団の中枢においてすべてを思うがままに操ることができた彼女も愛を求めていたのか?
ユウと同じ匂いを感じるというコイケは、しかしその方向性を大きく違えて決して交わることはない淋しさを感じる。ユウの純粋さに嫉妬していたのはきっとコイケだ。

さて。
満島ひかりです。
満島ひかりって何者ですか? 儂も一瞬本気でこの子はマリアか!って思えてしまったのだけれども。全身全霊でヨーコを演じる彼女に魅せられる儂。彼女が立てる中指と無表情な顔の美しいこと!運命の場所での格闘シーンだけエンドレスで見たいです!(変態)
西島隆弘の演技は時に能天気に見え(演出?)決して格好いいとは思えない(パンチラ写真を撮っている彼は、しかし最高に格好いいです!はいっ!<称賛>)のに、ヨーコは逆上して吠える姿まで神々しい。これはむきだしの美しさなのか、それともやっぱり儂も変態ということか?

ところで、この映画の狙いってなんだろう。

237分という話題性だけではこんなに濃厚な内容の映画を作ることはできない。人間の深いところにある問題を真摯に描いているのに表面にはどうしようもないエロとしょーもなさを徹底してちりばめる。「真面目なテーマで4時間は長くてしんどいから、適度に柔らかさも入れておきましょう」レベルじゃぁないのだ。お下劣と馬鹿馬鹿しさが徹底しているのだ。

こんなにエグイ映画なのに最後は予定調和的な終わり方っちゅーところに若干の物足りなさを感じますが、エログロナンセンスとくだらなさとラブロマンス、微妙に心理的な問題をはらんだストーリー展開と社会問題と家族の関係に宗教の持つ恐ろしさもきちんとえぐり出す、なかなかの満足度です。4時間(途中10分休憩)だけど全然長くは感じませんでした。真面目な人にはちょっとしんどいかも知れないけれど。

ちなみに、パンチラ姿もセクシーシーンもてんこ盛りで出てきますが、どれもエッチではなく美しいです。
凄いっ!!!

すごいのか・・・・?

愛のむきだし@京都シネマの画像

愛のむきだし@京都シネマの画像