ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

崖の上のポニョ@TOHOシネマズ二条

2008-10-13 00:20:30 | 映画感想
藤岡藤巻が主題歌を歌っているという事で話題沸騰の宮崎アニメです。
#違いますか?

なんか今回の作品は、画像が手書きだというのがウリらしい。
ウリらしいが儂にはそんな事よりもトコロさんが声で出演している事のほうが気になったりするのだ。

ってな~、
そんな枝葉の事は置いておいて、やはり宮崎アニメ。なんだかんだ言って気になるわけですよ。気になるって事は期待するってわけですよ。そして期待と言うのは往々にして裏切られるわけですよ。

乱暴に言って宮崎アニメには2つの系譜がある。ラピュタやナウシカのように冒険的な要素の強いものとトトロに代表されるメルヘンなものと。まぁ、それ以降の作品はその2つの要素が混ざり合っているわけだけど、今回のポニョは完全にぶっちぎりでメルヘンですから、冒険モノを期待する人(含儂)にとっては、どーもなー的なモノなのではないかと。

もうね。
余計なこと考えずに単に子供向けのメルヘンSFとして楽しんでしまえばいいのだよ、きっと。

でも無理でしょう? 深読みするでしょう?
月の存在とかフジモトのいる海の世界観とか、ポニョとその妹たちの意味するものはなんなのかとか、古代魚のなぞとか、ボートの夫婦が象徴しているものは何、とか、トキさんの重要性とか。

とにかく、過去のジブリ作品の虜である儂は、そーいったディテイルになーんか意味があるにちまいない!、と思わずにはいられないわけです。
#あぁ、ヤダヤダ オトナってのはどうしてこうも理屈で考えたがるんだろうね?

まぁ、その深読み衝動に加えてオトナ目線の常識的感覚での不条理とイヤラシサが邪魔をしてしまうわけですわ。
あれだけ酷い高潮だったら被害はどうなっとんねん、とか、なんでそんな魔法とか簡単に信じるねん、とか、あんだけ船を沢山集めてしまって後どうなんねん、とか、アンタ5歳にしてそんな大それた事決めてしてしまっていいの?愛は永遠とちゃうねんで、とか。
#おっと、問題発言。でも下手をすると人魚は最後には泡になってしまうのですよ!?

子供に見せる映画、という事を意識しているのだなと感じさせる一番のポイントは登場人物がほとんどみんな素直でまっすぐで迷いが無いという事。悪く言えば能天気なのだ。そうでない(大人らしい)のはフジモトとトキさんだけである。だからフジモトは娘たちに嫌われてしまうし、トキさんは憎まれ役として登場する。でも最後にはその二人も取り込んで半ば強引にハッピーエンドに持ち込む(そんなように見せる)感じ。いやはや、よくできています。

あと毎度の事だけど声優がなぁ。
所さんは儂の尊敬する人物の一人で大好きだけど、声優としてはどうなのでしょう。

一方で、お話のテンポ構成はとてもよく、上記のように余計な事を考えなければ楽しく見る事が出来ると思います。透明感のある絵柄も象徴的だし、波のスピード感や海中の情景の楽しさもとてもいいです。(おお、これが手書きのなせる業か!?)

#波に目ができるヤツ(水魚?)はちょっと怖かったっす。