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ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

ベトナムからの笑い声@スペース・イサン

2006-08-26 16:10:31 | 演劇レビュー
そーいう名前の劇団の第20回公演
「サンサンロクビョウシ」
相変わらずよくわからない上に
相変わらず内容と関係ない
んで、相変わらずオムニバス。

ここ暫くオムニバス形式だなぁ。ワザとそうしてるのか、そうせざるを得ないのか。それ以上は言うまい♪

ACT1は「村おこし~ローリングシルバー~」
過疎に悩む村が村おこしの為に苦悩していると、そんな村の集会所での一コマという設定だが、ひたすら超絶する感性に悶絶する。とにかく訳がわからないところで進行していく(いかない?)話し合い。
だって名物「高橋」は3個2000円の味気ないミカンだし、お祭りのかけ声は新興宗教みたいやし、なぜかプーマを応援してるし、宇宙人(のつもりの生身の人間)が回ってるんだもの。
それよりも、村紹介ビデオの中に塗り込められたネタが秀逸。 「○。幻の○。」のリフレイン、あぁ、バカバカしい。 日本三大「沼」祭ってあるんかいっ!?四季折々に併せて年7回開かれるって、多!京響の定演かっつーの! そう、「ぱーやん!ぱーやん!」なんでやねん? でっち上げ度120%のミステリースクエア
今回の三つの話の中で一番ベトナムらしいね、意味の無さが。
なんか、九州っぽいけどどことも知れぬ訛りはかなりリアルやったなぁ。

ACT2は「アクタガワリュウノスケ」
ベトナムの脚本さんが(多分)得意な言葉遊びコーナー。
芥川龍之介の「羅生門」「鼻」「杜子春」に出てくる言葉をストーリーに併せて列挙。その言葉をすり替えて官能の世界を作り出す試み。
言葉遊び自体は何処でもある事だけど、それを1つの形にまとめ上げる才能、発想力が凄い。最後は社会的な内容で持ってきたところはちょっとニクイ。

ACT3は「オリエンタル歌劇団」
ベトナム流ナンセンスミュージカルコメディーと銘打っていたけど。まぁ、まず予想通りミュージカルなんてもんではありません。歌っちゃいるけど(指揮者もいるけど)。ストーリーもどうでもいいです(<ひどいなぁ)
よーするに、ミュージカルのような高尚な感じの演劇のテイストをパロディー化して徹底的に楽しんでいるという感じですね。
一番楽しんでいるように見えたのはポニーテール姫役の山方さん、まるで歌舞伎の見栄はってんのかと思うような声の張り上げ方に笑いをこらえる事が出来ない。堀江さんも各キャラ毎にめいっぱいイヤらしく演じ分けようとする感じがイイ。徳永さんは一生懸命いつもどおりの感じが堀江さんと好対照でおもしろい。主人公であるはずの黒川さんの役が逆に影が薄かったというのがなんともらしくってステキです。
いちおミュージカルという事で、何曲か歌うんだけどベトナムには座付き作曲家がいるからねぇ、そこも凄い。また、この音楽もめいっぱいオペラっぽさをパロってるのもあれば、それジャズやん!ってのもあって幅広い広い。歌詞は、決まってるんだね、最初はアドリブかと思ったけど逆にアドリブではあんなナンセンスな歌詞出てこないね。
あと、ミュージカル風舞台装置と衣裳を「顔出し」という手法で克服したアイディアは脱帽です、それ自体がネタだわ3話始まった瞬間から、あ、おもろいわ、っていう確信が持てました。ちょっと狡いです。

今回は全体的にあかるい雰囲気で終始一貫してた感じ。シュールさよりもナンセンスさを楽しむ感じが強かったなぁ、と思います。
まぁ、簡単に言うと相変わらずくだらなさ満点なんですけど。

次回も超くだらない芝居を期待しています。

ベトナムからの笑い声@スペース・イサンの画像



ピースピット@HEP HALL

2006-08-20 17:57:56 | 演劇レビュー
ピースピットは末満健一さんのやっているプロデュース公演。
そのvol.7「SMITH」というお芝居。

やべ、一週間も前だから細かいところ覚えてないよ(汗)

末満さんはピスタチオ以来だなぁ。めちゃめちゃ久しぶり。
5つの都市が互いに戦争を繰り広げ均衡を保つ世界に置いて、突出した科学力を持ち各都市に武器を輸出する移動要塞都市「SMITH」。そこで便利屋をする芥屋灰二郎がひょんな事で出逢う四葉屋桔梗という少女、その少女を巡って繰り広げられるネオジャパネスクチャンバラ活劇。
っていうふれこみ。

とりあえずね、儂はプロデュース公演って好きではないの。
なんでかっつーと、やっぱり劇団っていうのは劇団っていう枠があるから、個々の個性がはっきりして好みに合わせて見に行く事が出来るけど、プロデュースものだといろんな劇団の人がいて入り乱れるからね。
あと、なんだかプロデュースものだと、役者さんの力の入れようが薄いような気がしてしまって、まぁ、これは私の偏見なんですが。
んで、決して「↑そうだったんぢゃないの?」というつもりはないんですが、セリフ咬んぢゃうの目立ちましたね。あと殺陣。かっこいいんだけど、今一練習不足の感が否めません。わかりますよ、だって、3時間あまりという長丁場の芝居だし、殺陣のシーン多すぎるし(100人切りとかやりすぎですっ<断言)それでプロデュース公演に完璧を求めるのは酷でもあるんだけど、お金取ってやっている以上はキチンとやって欲しいし、なにより今回のこの「SMITH」って脚本、凄く良い!。けっこうしっかりして見せ場も多く展開も意外なものが連続したり、良くこなれている。だからこそそういう感じが凄く勿体なく感じられたという。
演出の仕方もピスタチオ仕込み(というわけでもないのかもしれなけど)洗練されてるし、場面転換の仕方とか繋ぎ方も良い、BGMのトライベッカもめっちゃ雰囲気に合ってて格好いいし。だからこそだからこそ、って感じ。

出演者の豪華さもやっぱりなー。
儂的には未来探偵社の隈本さんとか、遊気舎の西田さんとか、石原正一さんとか、ここ数年芝居を見る機会がめっきり減ってしまった(ライブばっか行き過ぎです!)からなんか懐かしくて嬉しかったよー。
ネオジャパネスク的な格好良さっていうのがかなりマス化してしまって、ちょっと安易な感じもするけど、でも好きだなっていうのは今回は正直に認めようと思いますね。

あ、赤星マサノリさん美味しい役だったなぁ、世界一団(劇団名sundayに変わるの?)の芝居一度見てみよう。

ピースピット@HEP HALLの画像



ヨーロッパ企画「Windows 5000」@ART COMPLEX 1928

2006-03-04 21:09:14 | 演劇レビュー
あぁ、念願のヨーロッパ企画。初めて見て参りました。
もう、この劇団、みたいなぁと思ってから結構経ちます。知り合いに、いいよ、って言われて名前覚えて、クラブとかでのイベントがあるって聞いて気になって、HP見たら変な事やってるし、で去年映画化されたこの劇団原作の「サマータイムマシーンブルース」を先にみちゃってシマッターって思っていた私。
てなわけで、まだ公演中なので万が一これから芝居を見るという人がこれを読んでいたら(いるのか?)要注意でございます。

近未来のちまちまSFチックなこのお話。Windows 5000、というのはソフトの名前です。このソフトはなんと、部屋の中が見れちゃうというスグレモノ、町を映すライブカメラを通して他人の私生活が覗けてしまう(プライバシー侵害度200%)というウハウハな、いや、困った代物です。
で、区役所の職員がこのソフトを(職務上仕方なく)使って立ち退きをしてもらおうと考えている集合住宅(昔香港にあった九龍城みたいなん)で生活してる人達の実体を調べるという設定。ステージ上になんと9個の部屋を構築、当然1つ1つの部屋狭!そこに9人もの人が住んでる!

まぁ、簡単なストーリー設定もあるんですが、この芝居はソフトを操っている役所職員を狂言回しにして、個々の人にまつわる日常的なツッコミどころを見せる小ネタオムニバス的な感じがします、芝居と言うよりはね。
HPでも見られるのですが、この劇団は映像作品が多くって、それを見ても顕著なようにちまちました感じのくだらない小ネタ的なものが得意なのかなぁと。そういう意味ではヨーロッパ企画らしいといえばらしいのかも。知っている人いたら教えてください。(いるのか?)

いつもの常で、一週間前くらいにチケットとろうとしたらなんと全公演ソールドアウト、元々人気があるのか、それともサマータイムマシーンブルース効果か。当日券若干出ます、という言葉を当てに行ったら当日4枚だけでぎりぎり入れました。凄いね。
で初めて入ったアートコンプレックス2階席、熱気むんむん外は寒いのにシャツ一枚で観劇。熱いね。

今度はきちんとしたストーリーものを見てみたいです。



ベトナムからの笑い声@アトリエ劇研

2006-01-21 17:57:39 | 演劇レビュー
今回のタイトルは
「ブツダンサギ」
相変わらずタイトルから内容を推察するのは不可能です。んで、今回もオムニバスもの3話。っつーか、ここしばらくオムニバスものしかやってないような気が。。。

一話目「ブレーンバスター」
ふと目覚めると頭の中に別の人物がいる事に気づく男。いわゆる多重人格である事に初めて気づく事実。そこに頭の中の人格がつきあい始めた彼女がやってきたからさぁ大変。(つきあってるなんて知らなかった)彼女と頭の中のもう一人と会話しながらのドタバタ会話劇という設定。バタバタしててベトナムらしいなんか喉につっかかった感満点。頭の中の人物がステージ前にいるのとスクリーンで本人のイメージが映し出されてビジュアル的にもややこしさフル♪

二話目「ロールプレイングゲーム」
某RPGの半実写版。スナイムの攻撃に耐えるパーティ。パーティをくむのは簡単だけど、実際に人間が同じようにしようとすればねぇ、そこはそれ人間模様が出て大変だわな。なんにしろ魔法使いの杖は必須ですね。

三話目「ずっこけ三人組~ライフ イズ ゲーム」
某児童小説の30年後という設定。当時のマドンナに持ちかけられた同窓会。人生の絶頂期を小学校6年生で迎え、あとは転がり落ちてしまった三人組。この設定やばい、きけん、ひきょう。
っつーか、ここのホンを書いてる黒川君は常にチャレンジャーなのだが、この「笑えないテーマを笑う」っていうのにやたらチャレンジしまくる。いや、正直笑えない時もあったりするから恐いのだが、今回は笑えた。まぁ、笑いに持ってくところに多少強引さもあるのだが、芝居として暗さにはあえて目を背け、笑いに持っていく事でむしろそのバックにある置いてきぼりになった暗さが頭のどっかで引っかかってるみたいなね。
ちなみに本家の「ズッコケ中年組」が最近出たのは全くの偶然らしいです。



ランニングシアターダッシュ最終公演@伊丹アイホール

2005-11-26 01:44:56 | 演劇レビュー
キーワードにも登録していたランニングシアターダッシュがついに解散する事に。2日続けて最終公演を見に行ってきました。

12月25日:西部劇風野球活劇「GLORY DAYS 2005」
卒業を間近に控え、自分たちのホームグラウンドを必死で守ろうとする少年達の物語。ウェストに住む卒業間近のジョー、サリー、ベンの三人はいつもの自分たちのグランドで野球をする。そこへイーストの鼻持ちならない連中がやってきて「このグランドは今日からイーストが使う」と強引にグランドを奪おうとする。謎の男のはからいで試合で決着付ける事になったが相手は年上で金持ちチーム、こっちは草野球でメンバーもいない。しかし、自分たちの戻ってくる場所を守るため、勇気をふりしぼり無法地帯ダウンタウンに住むキムに応援を求める。メンバーは集まったがとても野球ができる状態ではない。それでも諦めずに試合に臨む。

11月26日:青春高校野球演劇「風のピンチヒッター~再試合~」
弱小、三高野球部は廃部寸前、そこに剛腕の転校生が来るという噂。タイミングを同じくして転校してきたミナミ(下手っぴでも情熱は有る)は剛腕転校生と間違われてそれでも入部。一方、ホントの転校生キタカゼはバッターにデッドボールを与え、野球を断念していたが、ミナミの情熱に打たれ部に入る。なんとか、部を復活させたが、夏の大会初戦は甲子園常連の星上学園だった。一気に諦めモードの部員達だがイサムは「一点、星上から一点取ろう、勝てなくても甲子園常連の星上からの一点なら価値がある」と鼓舞する。かくして、一点を取るための試合が始まるが、一点どころか。。。

って、あらすじまで書いてもーた(いえ、いいんですけど、そんなつもりでもなかったので)。風のピンチヒッターは再演です。GLORY DAYSも厳密には改作だけどだいぶ変えての新作との事。両方野球ものという事でダッシュの真骨頂やね。相変わらず細かい設定とか気になる事はあるけど、そんな事はどうでもいいんです(なら書くなよ・・・)もう素直に感動。なにか大切なものにむけてがむしゃらに頑張れる、絶対に無理と思えても、でも、必死になれる、そこで掴んだものは何ものにも代え難い財産。そんな何かのために一生懸命になれる自分を忘れない。 そんなメッセージとともにランニングシアターダッシュの最終戦終わってしまいましたね。
いつまでもあるわけではない。なのに、いつまででもあるような気がして。こんなに好きだった劇団がなくなって、ちょっと切ない気がします。

でも、10年間いつも感動的なお芝居をありがとうございました。