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ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

ミヒャエル・ゾーヴァ展@美術館「えき」KYOTO

2009-07-08 12:49:41 | 展覧会とかアートチックなもの
ミヒャエル・ゾーヴァの絵はいったいなんなんだろうね。 フシギと惹かれるのだ。

初めてこの人の絵を意識したのは、やっぱり「アメリ」。

治療中の犬って。

かわいい。。。。。とは言いがたい雰囲気の、でもかわいいと言っておいた方が良いのか?や、でもなんだかトーン暗いし、っつーか、そもそもなんでこの犬なのだ?
なんとも言えない変な感覚、なんとも評することの適わない胸につっかえるようなもどかしさ。

そのゾーヴァの展覧会です。

緑の党のポスターから、絵本の挿絵、そして単発の作品群。
初期の頃から、ポストカードの仕事をしていたという事もあって、一枚ものの作品も数多い。
一枚の中で完結するはずのものなのに、なんやしらんけど特別なストーリーを期待してしまう。
期待しても始まらないもんが多いんやけど、スープ豚とか。

時化気味の海を平然と行く『物体』を書いた一連の作品は分かりやすい。
荒々しく暗い海はそのまま不安を掻き立てるのに、なんで、そこに悠然と本を読んでいる男の人がいるのか???
これは、コミカルなのか?それとも暗い絵のなのか? 航行する女達、って裸で行水しているようにしか見えないんですけど。。。波の高い海の直中で!? おお、箱舟はマトモな題材か????でも箱舟に乗っている動物たちの表情がなんとも。むむむむ。

有名なペンギンが1~100までの札を持っている絵には結局79が抜けたまま、
会場の入り口で出されるクイズ「展示作品の中に間違いが一つあるんだ」と言っていた作品の、その間違いだって最終的にそのままだし。
かと思えば、ゾーヴァは完成後の加筆癖があるとか言って、そんな話を映像でも流している。
いい加減なのか、完璧主義者なのか。 いや、加筆した後で「やらなきゃ良かった」って後悔しているところをみると、単に抜けているだけなのか?

購入したポストカードは、左から3番目が父、という作品。
ふざけてる。
誰が買うねん!こんなカード!
と、言いながら買う儂。

ちなみに一番萌えた絵は、ペンギンが上下に重なって抱き合おうとするけど、その体の形からうまく出来ないという構図。にやけてしまう。
#でも、ポストカード売っていなかったの(泣)


ミヒャエル・ゾーヴァ展@美術館「えき」KYOTOの画像

ミヒャエル・ゾーヴァ展@美術館「えき」KYOTOの画像

ミヒャエル・ゾーヴァ展@美術館「えき」KYOTOの画像



正倉院展@奈良国立博物館

2008-11-09 00:09:32 | 展覧会とかアートチックなもの
毎年開催される「正倉院展」

今年初めて行ってきました。ちなみに奈良国立博物館に行くのも初めてです。

夕方から入ると700円で入れるよー、という情報を聞きつけ昼には大和郡山にいる友達とあって夕方の5時半にあわせて奈良に向かう。

にゃー、凄い人だねー。
って、最後の日曜日だから当たり前だな。

で、正倉院展。

基本的に毎年開催されるこの展示会は、毎年テーマがあってそれにあわせて展示品が変わるのですね。だから好きで来る人は毎年リピートするらしい。うむ。

てっきり正倉院の御物がこれでもかこれでもかと沢山見られると思いこんでいた儂。有名な琵琶とか鳥毛立女屏風とか見られるのかと思っていたけど。。。浅はかです。。。

でもあれだね、何も考えずに見に行っちゃいけないね。
恥ずかしながら、ワタクシ、奈良時代以前の文化についての造詣が浅い。。。
深く見るってのができないですねー、装飾とか螺鈿が多く使われている感じとかはわかるけど、中に描きこまれている模様とか人物の意味とか分からないものなー。
ペルシャからシルクロード経由で伝わったと考えられるガラス器とかその意義は感じるけど、綺麗なガラスの器だね、くらいで終わってしまう。。。汗

帯とかその飾り具とかは当時の装束のイメージが沸いて良かったけど。

うーむ。来年行くとしたらもうちっと勉強してから行こう。

浅学を嘆く秋。

「風神雷神図屏風」特別公開@建仁寺

2008-05-14 12:51:39 | 展覧会とかアートチックなもの
公開期間ギリギリで風神雷神図屏風の生公開を見に行く。

画像は入り口に置いてあるイミテーション。
パチパチ撮れるのがちょっと嬉しい。

風神雷神は以前に国立博物館で一度見ていますから2回目。
そん時ゃぁ、そりゃぁ感動したもんです。

比べるのは間違っているのですが、3日前に見に行った暁斎展の興奮が残っていたせいか、初めて見たときと比べて感動が薄い気が。。。暁斎の方にもね、風神雷神図があったのですよ。

おそらくオリジナルとパロディの違い。
オリジナルはもちろんそれだけで価値があり力も持っているのだけど、パロディーは時としてそれを凌駕してしまうのだ。大津絵の要素も入れた風神雷神図の愛嬌のある暁斎の図が儂の頭の中にあり、本来比べてはいけないものを比べてしまった感じ。
ただ、基本はオリジナルあってのパロディですから。オリジナルがなかったらパロディは無価値ですから。<何故かフォロー

もちろん、そうはいいながら風神雷神図にはめちゃめちゃ惹かれるのですよ。構図の妙といい両神の顔つき体の動き。見とれてしまうもの。

しばし見とれたその後、法堂の双龍図を見る。五爪の龍です。
以前、相国寺で蟠龍図を見て以来。 儂は「龍」ラヴぃだす。

ほんで、建仁寺の龍。

5年ほど前に建仁寺が開かれて800年たつのを記念して描かれた双龍図。
もうね、めちゃめちゃキュートです。龍に「きゅーと」とか言っちゃダメですか?
なんだか訴えかけるような目の感じといい、ツンとあがったブタ鼻といい。口から頭に掛けてのフォルムまで、とても愛らしいのです。

あの龍の携帯ストラップとか欲しいです。作ってください、建仁寺さんっ!<我侭

首が痛くなるまで天井見上げてましたってばさー。

ちなみに庭の好みは「潮音庭」より「大雄苑」。枯山水が好き☆

そうそう、庭といえば、
○△□の庭は、どこに△があるのか、この煩悩だらけのボンクラに、どなたか説明してやっちゃぁもらえませんでしょうかねぇ?

「風神雷神図屏風」特別公開@建仁寺の画像



暁斎漫画展@京都国際マンガミュージアム

2008-05-11 22:19:51 | 展覧会とかアートチックなもの
国立博物館の暁斎展に触発されて、勢いで行っちゃいました。初京都国際マンガミュージアム!
こっちの暁斎展と同時開催で行われていた「暁斎漫画展」です。

当初の予定ではこの日、国立博物館見た後はそのまんま大阪まで行って中ノ島でお芝居♪ と思っていたのだ。
いかんせん、暁斎のインパクトは強かった。時間に多少の危うさを感じながらも、気持ちはとめられない、いざ烏丸!

場所柄、国立博物館のそれとは異なり、漫画や風刺画といった側面にスポットを当てた展示内容。
新聞のコマ漫画とか、錦絵とか。
ホントに、これがあの精緻な水墨や鳥獣図と同じ人が書いているの?と思うような作品群。

あは。先に見た放屁合戦絵巻が文明開化バージョンであるよー。

七条の博物館での印象は、ホントに多彩でとらえどころがなく、ひたすら圧倒されてしまう存在に感じていた。
が、御池ではその時代を生きる彼の姿が見え隠れする。
そーさなー。前者は確かに時代のとらえどころもなかったのだ。そもそも暁斎を知らないっていうのもあるけど。
だけど、後者の作品を見れば、暁斎がまぎれもなく明治を生きた人であることが分かる。

どちらの暁斎もきっとホンモノ。
でも生き生きと描かれる様は、より漫画的なものに親しむものかもしれません。
いやいや、もちろんだからこそ、まじめな(?)絵でさえも温かみや物語性や動きを(幽霊画にさえも)感じさせて、只者ではない事をはっきりと知らしめるのかもなー。

ところでところで、初めて来たわけですよ、マンガミュージアム。
至る所に漫画・まんが・マンガ・MANGA。うひゃぁー、この世の楽園ですか?そしてマンガを手に思い思いのスタイル(寝転がる、階段に腰掛ける、本棚にもたれる、立ち読み、逆立ち等等)でマンガに耽る人々。 あぁ!なんと退廃的。。。いや長閑な!
ええのぉ。この呑気な空間に入り浸りたい。。。

暁斎漫画展@京都国際マンガミュージアム の画像



特別展覧会 暁斎@京都国立博物館

2008-05-11 00:28:03 | 展覧会とかアートチックなもの
暁斎ナニモノ!?

恥ずかしながらワタクシ、暁斎なる人物を今回の展覧会があるまで存じませんでした。

とりあえず、ポスターに見える髑髏と蜥蜴の毒々しそうなイメージ、一方では滑稽な動きで表情も豊かに踊る人(一休禅師ですが)を見て、おおぉ、これはちょっと面白そう。と会場に足を運んだ次第でございます。

展示室。入って一発目がなんと「九相図」
人が死んで朽ち、骨になるまでの相を描いた図です。
いきなりグロいです。度肝抜かれます。でもめちゃめちゃ惹きつけられるわけです。

ほんでもって、単にグロい絵を描く奇をてらった画家、では終わらないのですよ、この人。

いやいや、まぁ展覧会に行ってきてから時間も経っているし、美術への造詣がうすいワタクシ。。。あまりうまい事は言えませんが。
まぁ、なんと振り幅の広い事!

一発目のインパクトに続くように、妖怪変化や百鬼夜行、逆に風神雷神とか鍾馗様といった神々の絵、挙句の果てには幽霊や刑場の図があるかと思えば、美人画や花鳥図、山水画。またそれが皆なんともうまい構図だったり躍動感が合ったり、日本画の野暮ったいイメージ(あくまでイメージね、実際はちゃいますよー)で見たら驚きの作品たち。と、思えば、少女趣味の物語絵や鳥獣戯画を髣髴とさせる擬人化された動物たちの漫画といった滑稽なもの。それらを見て絵の巧さに驚愕していたところに落書きみたいな手抜き?え、これ上手なん?て思うようなものが現れてみたり(酒席で座興で描いた髑髏だったりするのですが、、、)。更にその対極にある緻密な下絵の展示も。

なんとまぁ、とらえどころの無い。。。
というか、枠がないのだな、きっと。その上に深い。

違う流派の元で絵を修行して、といった経歴的な素地はあるにしても、その枠から出られないのがいわゆる普通の才能でしょう? 河鍋暁斎のそれは、天性の才なんだろうな、と思います。ほら、岡本太郎さんだって、常人の枠では収まりきらない、理解を超越しているじゃない?
#それとは違うなら「それとは違う」と言ってください>芸術系の方
当時の画壇では異端扱いされていた、というのは常人の理解できる範疇を超えていたからですよねぇ?時代の先を行っていたわけだから、そりゃぁ仕方ない。

絵が巧いだけではないのでしょう、味があるのだ。

どこかの解説にもあったように、構図とか、遠近法とか、豪放さの中にもキチンと計算されているのだ。

単に変わっているというのでは人は魅せられない、人の心をくすぐる遊び心がキチンとあるのだ。

でも、綺麗ごとだけでいられるわけではない、人の持つ猥雑さや影の部分も包み隠さず表現するのだ。

羽裏に描いた刑場の絵は、そりゃぁもう生々しくグロテスクな上に、この上無くいやらしく悪趣味。18禁でしょう。フツー。
でも、正直にいうと、今回の展示作品でどれよりも印象に残ってしまった一枚。
ダメですよ、PTAに怒られますよ。
#NHKは協賛しているようです

才気ほとばしるこんな画家が明治期の日本で活躍(?)していた事が驚き。とともに嬉しく思いました。
河鍋暁斎 覚えておかなくては。