パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

風待心中

2016-12-23 | book
1958年生まれの小説家,山口恵以子の新刊「風待心中」を読んだ。新聞書評から。2016年3月刊行。同年代の作家だ。2007年に作家デビュー。

江戸で蘭学を学ぶ1人息子,20歳の真吉と,若くして夫に死なれ,裁縫を生業に,真吉を女手一つで育て上げた長屋に住むおせい親子の話。

親子の周りで起きる殺人事件。夜鷹,幼子,武士などが次々に殺され,奉行所の探索とともに,一部の事件の下手人も明らかになっていく。

英才とうたわれ,蘭学塾で長崎行きも決まった真吉。おせいが姉の様に慕う10歳年上のおとせ。おせいが心を寄せる亡き夫の弟弟子の辰次。真吉に心を寄せる塾の恩師の娘多代と手伝いのおさき。真吉を妬む塾生,旗本の4男坊,恭之介。
多くの登場人物が絡み合い,情念のなせる人間模様が次々に。驚きの事実も明らかになる。

山口はシナリオを学び,脚本家を目指していたというから時代劇を見ているような錯覚に陥る。テンポも速く,読んでいて飽きが来ない。

コメント
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