パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

一路(上)

2015-12-20 | book
新聞書評で売れている文庫として紹介されていた,浅田次郎,1951年生まれの直木賞作家の時代小説「一路(いちろ))を読んだ。江戸時代,参勤交代を命じられた美濃の国の旗本,蒔坂左京大夫が江戸へ向かう中山道の道中記だ。2015年にテレビ化もされた。2013年2月刊行。

左京大夫の廃嫡を狙う,叔父の将監と国家老由比帯刀,側用人の伊東喜惣次らの悪役と,父の急死によって,始めて国入りをした若き,道中御供頭の小野寺一路,添役の栗山信吾などの若者や,道中先触れを行けいれた佐久間勘十郎や与川崩れを乗り越えた西の丸組頭の矢島兵助などの左京大夫に忠信を誓うものたち,そこに寺の住職の空澄,易者の朧庵や髪結い新三などの一路を応援する個性派が,道中にからんで面白い仕立てとなっている。
表紙に行程と登場人物が描かれていて,読みながらおさらいや確認ができる趣向がいい。

80人で臨む道中。まずは上巻。一路はさまざまな出会いや人に助けられ,無事,出立するが,次々に起こる難事。難所もそこかしこにあり,緊張感が全体を覆う。しかし,家中の皆に助けられ,無事,下諏訪までたどり着く。そこに一路や栗山信吾の父の不審死の謎も出てきて,飽きさせない。左京大夫がうつけかどうかも興味あるところ。さて,後半は・・・。
コメント
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