パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

ビートルズのすべて 12 ビートルズの音楽を集大成(3)

2014-02-23 | book
「アビイ・ロード」においてもっとも話題になったのは、アナログディスクでは、B面のすべてを使って構成されたメドレー作品でした。「半端なやつをみんな一緒にしようというのは僕のアイデアだったと思う。ま、そういうことを主張するのは控えてるんだけれど、とにかく最終的にあれを全部メドレーにしようというアイデアを思いついて、B面をオペラっぽい構成にしたんだ」と語るのはポールです。
ジョージ・マーティンも「サージェント・ペパーズ」での手法を取り入れるのに異論はなかったようです。しかも、基本的には4人によるアンサンブルを主体とし、スタジオミュージシャンの起用は極力控える。それは、ビートルズの原点への回帰ということを意味したものでした。「サージェント・ペパーズ」における組曲的な構成に批判的で当初、メドレーや組曲的な構成を批判的だったジョンも、彼の作品、その断片が用いられることになったのをきっかけに、そのプランを了解することになります。
「半端なものはいつでもいっぱい転がっていた。「サージェント」時代に書いたものをそのままにしていた。何年もほっておくと、ちょっと興味がなくなるだろう。だからそういうきれっぱしを片付けるにはいい方法だった」とジョンは語っています。
もっとも、B面でのメドレーに好意的だったジョンですが、どうやら最終的には、そうした組曲的な構成が気に入らず、後年になって批判的なコメントも述べています。
ジョンにとっては、作品はあくまでもそれ1曲、単体で存在するものという考えの持ち主だからでした。
「サージェント・ペパーズ」に続いて制作された「ホワイトアルバム」を評価していたのもそういうところにあったわけです。結果、『アビイ・ロード』はアナログ時代のA面はジョンの意向をそのまま反映した1曲、単体で存在した作品が並び、B面では、ジョンやジョージの作品も組み入れながら、ポールの意向を反映したメドレー・組曲形式のものとなったわけです。
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