パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

香水と泡盛

2010-02-14 | food
今年1月3日の新聞に「泡盛 海を渡る」という記事があった。

これは、中東で香水を作るために考案された蒸留の方式が、西はヨーロッパ、東はタイや日本に伝わり、蒸留酒をもたらしたという興味深いものであった。

蒸留とは、混合物を一度蒸発させ、後で再び凝縮させることで、沸点の異なる成分を分離・濃縮する操作をいう。

たとえば、穀物や果実を酵母によって発酵させ、アルコールを作り出す。これが醸造酒。ビール、日本酒、ワインなどがこれにあたる。
この醸造酒を蒸留してつくるのが、蒸留酒。水の沸点は100度だが、アルコールは約78度。この差で、アルコールや発酵の風味を取り出したのが、蒸留酒となる。水分がないので、アルコール度が高い。
極端な話でいうと、日本酒を蒸留して米焼酎。ワインを蒸留してブランデー。ビールを蒸留してウイスキーとなる。

泡盛は、約500年前の15世紀ごろ、タイや中国からこの技術が渡り、当時の琉球の醸造技術と相まってできたという。
初めは国産の米や粟を使っていたが、大正から昭和の頃の国産米の高騰から、タイ米を使用しだした。タイ米は、日本米に比べ、細長く、麹がつきやすい。これが、今日のコクと切れのある独特の風味を生み出した。

泡盛は、タイ米に黒こうじ菌で発酵させたもろみを蒸留する。つまり、中東の蒸留技術とタイ米、そして沖縄の技術が相まって、このお酒が出来た。アジアの文化の香りが、泡盛というわけだ。
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