1969年昭和44年生まれの伊吹有喜の「娘が巣立つ朝」を読んだ。2022年令和4年から2024年令和6年2月まで新聞掲載された。2024年5月第1刷。
東京多摩に、26年前に購入した中古住宅に住む夫婦。サラリーマンの高梨建一54歳とひとつ下の妻智子。一人娘の娘の真奈は26歳で、都内で一人暮らしをしている。真奈には、お付き合いしている大学時代の同級生の彼、渡辺優吾がいる。その彼が、結婚を申し込みに高梨家を訪ねてくるところから物語は始まる。
建一、智子、優吾の両親とその親族。結婚というセレモニーを通し、それぞれの家族の現実があぶり出されて、ギクシャクし始める。健一の生まれた三島で、母が入所する施設のボランティア、健一の2つ年上のリコが健一の家族に波風を立てる。
婚約解消に至る両家のしんどいまでの確執。30年近く暮らす夫婦といえども一人の人間である以上、感情のすれ違いは当然で、ストレスは増すばかり。ましてや結婚により付き合わざるを得ない相手の家族を理解することは不可能だ。
登場人物のすべてが苦しみながらも生きる意味を見つけていく。単に娘だけでなく、登場人物それぞれの巣立ちが描かれる。新聞小説らしく飽きさせない。
東京多摩に、26年前に購入した中古住宅に住む夫婦。サラリーマンの高梨建一54歳とひとつ下の妻智子。一人娘の娘の真奈は26歳で、都内で一人暮らしをしている。真奈には、お付き合いしている大学時代の同級生の彼、渡辺優吾がいる。その彼が、結婚を申し込みに高梨家を訪ねてくるところから物語は始まる。
建一、智子、優吾の両親とその親族。結婚というセレモニーを通し、それぞれの家族の現実があぶり出されて、ギクシャクし始める。健一の生まれた三島で、母が入所する施設のボランティア、健一の2つ年上のリコが健一の家族に波風を立てる。
婚約解消に至る両家のしんどいまでの確執。30年近く暮らす夫婦といえども一人の人間である以上、感情のすれ違いは当然で、ストレスは増すばかり。ましてや結婚により付き合わざるを得ない相手の家族を理解することは不可能だ。
登場人物のすべてが苦しみながらも生きる意味を見つけていく。単に娘だけでなく、登場人物それぞれの巣立ちが描かれる。新聞小説らしく飽きさせない。