パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

ツユクサナツコの一生

2024-08-18 | book
イラストレーターの益田ミリの漫画「ツユクサナツコの一生」を読んだ。2023年6月刊行。翌7月に2刷。週刊誌に2021年から2022年にかけて連載された。全21話。
益田ミリは1969年大阪生まれ。本作も関西弁で。

コロナ禍で、ドーナツ屋でバイトする32歳の独身の漫画家ツユクサナツコ。ネットに漫画を投稿している。母は亡くなり、父と二人暮らし。姉はいるが、結婚し東京に住んでいる。

なにげない日常の生活。ふと疑問に思うさまざまなこと。そして、各話にツユクサナツコ作で挿入される「おはぎ屋 春子」。
最低限のバックと同じ太さの細い線。シンプルな構図。そして、益田独特の間。この間がいい。

第28回(2024年)手塚治虫文化賞の短編賞を受賞した。
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田辺聖子 新源氏物語

2024-08-11 | book
現在放映中の大河ドラマの「光る君へ」は、源氏物語をいやが負うにも思い起こさせる。高校の時、古典の授業で習った源氏物語の世界に触れようと、当時10巻完結の円地源氏を大人買いした。ところが、教科書の部分だけで、挫折した。その10巻は半世紀経た今も書架にある。昭和47年発行の昭和50年1975年12刷だ。

そして、今年、田辺聖子の新源氏物語を図書館で借りた。田辺源氏は口語訳の直訳ではない。読みやすさもあり、なんとかなりそうと思った矢先、円地で源氏に栞の系図が各巻にあったのを思い出した。この系図がほんとうに助かった。多分、この系図がなければ、登場人物の関係がとても維持できなく、また、挫折していたと思う。読み進むたびに、付箋を貼ったり、線を引きたくなり、文庫の全3巻を買った。昭和59年に発行、令和5年に62刷だ。6月22日に読み始め、8月8日に読み終えた。猛暑の季節に至福の時を過ごすことができた。

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田辺聖子の百人一首

2024-08-04 | book
大河ドラマの「光る君へ」。平安時代の空気に触れながら、5月に購入した「田辺聖子の小倉百人一首」を読み終えた。1989年平成元年に刊行され、平成3年に文庫化。令和5年には37版だ。文法や直訳ではなく、作者や背景に焦点を当て、お聖さんカラーあふれる一冊だった。
傍らには、高校時代、昭和48年1973刊行の文法解釈本がある。茶色になり、シミもある。

奈良時代の前の飛鳥時代の天智天皇、持統天皇から始まり、鎌倉時代の承久の変の後鳥羽上皇、順徳院までの100人一首だ。女性も21人だという。柿本人麿や小野小町、和泉式部や紫式部、紫式部の娘の大弐三位(だいにのさんみ)、清少納言もいる。西行法師や鎌倉右大臣(実朝)もいる。
高校時代から半世紀経った。楽しいひと時を過ごせた。
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小林一茶 日記3篇

2024-07-28 | book
江戸時代の俳人、小林一茶の日記を3篇読んだ。岩波文庫に収録されている。1992年第一刷。2023年の第5刷だ。

「父の終焉日記」は享和元年1801年、一茶39歳。立ち寄った生家、長野県柏原で父が発症し、亡くなるまでと葬儀・初七日までの日記。父の闘病の様子と義理の弟・継母との確執。遺産相続という暗い現実の世界を生々しく伝えている。この日記の特質を解説では、フランスで起こった自然主義文学の先駆という。

「おらが春」は、一茶が故郷柏原に居を移して7年。文政2年1819、57歳の作。1月から12月までの1年間の日記体句文集。充実した創作活動を示す円熟期の著作と解説にある。

「我春(わがはる」集)は江戸在住の後半、文化8年1811、49歳の1年間の句文集。発句、連句、俳文、狂歌を収める。
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味噌知る。

2024-07-21 | book
同年代の料理研究家、土井善晴と長女の光が2021年令和3に発行した「味噌知る。」を読んだ。2023年には10刷だ。

題名のごとく「一汁一菜」を提唱する善晴の「汁」が味噌汁だ。
この本は、その味噌汁を旬の野菜や肉と組み合わせ、四季折々の献立、レシピを提案したもの。写真付きだ。
麹は日本独自の産物で、菌の一種。おいしくなれば発酵、まずくなれば腐敗。もちろん毒もあるが、麹菌は、味噌や醤油、酒、酢、みりんを生み出す。

具材はどれも手に入るものばかり。味噌汁といえどもこれだけのバリエーションがあれば、楽しめる。2年で10刷もうなずける。
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