何とも騒々しい世の中にしてくれたものである。日本政府は、中高校生の学習指導要綱の解説書に、「竹島と尖閣諸島」は日本の固有の国土だと明記することを打ち出した。竹島は固有の領土であり、尖閣諸島には領土問題は存在しないということである。
こうした意見あるいは主張が、中国と韓国にどのような反応を起こさせるか、政治家ならずとも知っているはずである。靖国参拝に続いての愚行である。最悪の日韓、日中関係にあって解決どころか、更に悪化させることは必至である。
なにも他国を脅かすのは、武力だけではない。こうしてタイミングを見計らった言動は、明らかに中国や韓国を挑発するものである。
何のための挑発かははっきりしている。中国と韓国の反発を受けて、安倍は自衛隊の増強や、集団的自衛権の容認や無原則的に武器を輸出することや、沖縄の辺野古に新たな巨大な軍港を併設した空港を作り出すための、国民に向けの口実が欲しいだけなのである。
ましてや今回は、中高校生を巻き込んで、刺々しい世界観を植え付けようとするものである。1970年代の、日中関係を知る者にとって、中
国がその後行った民族教育は大いに失望させるものであった。日本が同じ轍を踏み、近隣諸国との関係を意図的に悪化させようというのである。
安倍首相は、自らが忌み嫌う中国や北朝鮮のような、軍事拡大国家になって覇権を競う国家を作ろうとしているのである。
それにしても、なんとも安倍首相は騒々しい世の中にしてくれたものである。
猪瀬知事の政治のアマチュア姿勢から展開した、東京都知事選挙である。僅か3年ほどで、3回も知事選挙をする何とも不甲斐ない自治体である。その候補者がほぼ出揃ったようである。
今のところ、元日本弁護士連合会長の宇都宮健児、元厚生労働大臣の桝添要一、元航空幕僚長の田母神俊雄、なんといっても驚いたのが元内閣総理大臣の細川護熙、が主だったところである。
どれもこれも、『元』を付けなければならない、現職を退いていた人ばかりである。使い古しをまだ使えそうだからとリサイクルする、”フリーマーケット”のようである。
後出しじゃんけんが定着した感があり、名の通った人物を探した結果と思われる。相変わらず迷走して、桝添の支援に動こうとしていた民主党が、細川を支援することになった。全く理念もない動きと言える。
前回次点だったとはいえ、猪瀬に4倍もの差を付けられた宇都宮氏は、良く理解できない内輪もめを抱えているようであり、前回の得票は下回ることになるだろう。共産党と社民党が支援している。
石原慎太郎が支援する、右翼の田母神は格好の舞台を見つけて持論を展開したいのであろう。
自民党が離党した桝添を支援することになったには、同じく離党経験のある石破の判断であろう。独自の候補を立てることができなかった。
細川は思ってもみなかったが、脱原発で小泉純一郎が支援すれば、俄かに色めいてきたと言える。
いずれにしても、全く新鮮味のない”おじさん”あるいは”爺さん”候補ばかりである。
オリンピックも決まって、脱原発だって争点になるとは思えない。安倍政権の中間選挙と位置付ける評論もあるが、とてもじゃないがそんなレベルの選挙とは思えない、フリーマーケット選挙である。
覆われた黒い欲望が
厚いベールを通してやがて露わになる
騙すことを平然と正当化する愚かな集団
巨大な力で卵ケースを握り潰すように
私たちの未来を奪う
不理性のあからさまな横暴に
辻褄を合わせようとする
結末から流れる時間
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無為に放たれた言葉が
あてどなく中空を彷徨い
私たちの身の回り落ちて積もる
不条理は堆積し
やがて腐臭を放ち
拙い言い訳が虚しく漂う
結末から流れる時間
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遠い時間が
虚ろな口をあけ
無目的な巨大な構造物に人影はなく
徒に時を重ねる
乾いた論理が意味なく
時を重ね風化する
虚構を並べ
手柄を競う為政者たちの
既定の事実に向かう
結末から流れる時間
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釧路の詩誌「カバリア」179号に寄せた拙文です。
安倍首相が、「国のために死んだ英霊に尊崇の念を示し、不戦の誓いを立てるため」靖国神社に参拝したと、その理由の説明を繰り返す。不戦の誓いを立てたものが、戦力の増強をするか。並べる言葉とやっていることが、全く逆である。
中国と韓国の反発は予想したかもしれないが、アメリカの”失望”した行為であり、アメリカの国益に反するとの反応は予想以上だったであろう。世界各国の反発は暇がない。EUもロシアも国連事務総長も反対や懸念を表明し、イギリスの日中大使が、ハリーポッターの悪役を引き合いに出して応酬するさまは滑稽ですらある。
今日(9日)は、中国の国連大使が動向を見て、勝ち誇ったように日本向けではなく世界に向けてパフォーマンスをするようになった。早い話が、世界中誰も安倍の言い分など聞いてはいない。
欧米のWeb新聞を見ていると、多くのメディアが靖国神社の紹介に”War Shrinne”即ち”戦争神社”と紹介している。大雑把な言い方とは思えるが、概ね正しい。
安倍は多くの遺骨が納められている、千鳥ヶ淵の慰霊には興味を持たず、合祀という名で紙切れ一枚が祀られている、靖国神社へひたすら向かう。靖国神社は、軍国教育の元で徴兵されて国の犠牲になった兵士の、戦争への精神的支柱であった。彼らの多くは農民で、餓死や自決や無謀な死が多く、英霊などと呼ばれる存在ではない。
1978年に、厚生省の官僚と時の管主の判断で、A級戦犯が合祀されて以来、天皇も参拝を止めている。お人よしの日本人は、これほど首相が言うのだからと、参拝を容認する人も出てきている。
不戦の誓いをした人物が、平和憲法を見直そうとか、戦争に不可欠の治安維持法になぞらえた特定秘密法などを立法して、武器輸出を容認してNSCを作ったりするか!
私は現在2件の訴訟の原告団に名前を連ねています。一つは泊原発の再稼働見直しにつながる、「泊原発廃炉の会」の訴訟です。これは相当時間がかかるであろうし、政治的な展開もありうると思われます。
もう一つが、北見道路に関する訴訟です。通称ももんが訴訟と呼ばれて
います。北見の町のバイパス道路なのですが、地方の中核都市でありながら、管内随一の川である常呂川が作り出した丘が手つかずに残されています。
北見丘陵には、オジロワシやモモンガやハイタカなどの動物や、北海道の森林に見られる花々が多く咲き乱れる丘陵でした。標高220メートルの丘には、440種の植物が自生している、貴重な森となっています。
ここにトンネルを通し道路を作るのです。町の中にはれっきとした国道39号線があり、このバイパスで18分!時間が短縮されるとのことです。国道の渋滞はまずありません。
僅か10キロのこの道路の建設費は、440億円です。訴訟は、北海道が負担した88億円の返却を知事に要求するものです。5年ほどで裁判は敗訴でしたが、その間も道路建設は着々と進行していました。
自動車専用道路という名前ですが、実質高速道路です。高速道路では事前審査や各種の規制を受けるため、脱法道路です。事前の環境審査もなく、環境に影響を与えていたことの、2点は認めてくれました。
私が何よりも許せないのは、ここ北見には十勝の池田から旧国鉄が通っていました。この池北線は、その後ふるさと銀河線と呼ばれ、学生やお年寄りたちの足になっていました。貴重な路線でした。それが僅か、年間2億円足らずの赤字で、廃線に追い込まれたのです。
この不要な環境破壊の道路に使った税金を回せば、300年近くも賄えたはずです。因みに破たんした夕張は、18年で350億円の返済するだけです。
公共事業なんて、地域のことなど全く考えていない!
公共事業なんて、土建屋のためのものでしかない!
公共事業なんて、環境のことなど全く考えていない!
公共工事は、私たちの税金で造られているのです!
アベノミクッスの2本目の矢は、公共投資である。公共事業が各方面で盛んに行われ、一見好景気で地域は潤っているようには見えるが、これは単なるカンフル剤でしかない。
カンフル剤は止めると元に戻るから、射ち続けなければならない。長引けば麻薬と同じ作用をすることになる。
農村と漁村があって間に川があり、物資や人や文化の交流が困難だったので、橋を作ったとする。農村と漁村はお互いに、ないものを補完し合い発展し、人々の幸をもたらす。これは素晴らしい公共事業である。
こうした初期のインフラ整備、持続的な公共事業は現代にはほとんどない。公共事業の担い手は、事業がなくならないように、新たな公共事業を求めて権力者に様々な擦り寄りをすることになる。贈収賄に限らず、選挙の支援や天下りなど、現代日本の悪の循環の凝縮図がここにある。
酪農支援として、今年度260億円もの金がばら撒かれた。大型農業の支援と称するこの事業は、農機具会社を大いに潤している。昨年の暮れの手当てはかなりはずまれたとのことである。本ブログの「アベノミックス強行のシナリオ」で、現場の事実を書いた。
公共投資を延々と続けた結果、この国の財政は破たんした。国は認めようとはしないが、異常な負債を抱えている。国家予算の10倍、GDPの倍以上の負債を、少子化した子供に高齢者は残した。
地域ではやたらと大きな土建屋が目立ち、本来育たなければならなかった産業の成長を抑制する結果になっている。公共事業は行政をも支配する。
このことは江戸末期の上杉鷹山や吉田方谷が、財政が行き詰った時に持続可能な地域に根差した産業を興し、地域の活性を呼んだことを、教訓に見ればわかることである。
高齢化社会にカンフル剤で見せかけの活力を呼ぶ、不健康な処置のアベノミックスはいずれ破たんする。一夜の快楽を求めるようなものである。地域で破たんするのは、ほとんどの場合が農林漁業の一次産業である。
安倍首相は、アベノミクスの3本目の矢として、経済成長対策を掲げている。その目玉として、経済特区を設けることを上げている。規制を緩和して税金を優遇して、成功したら全国展開をやろうというのである。
TPPもそうであるが、主権が何処にあるのか、行政権や立法権を誰が有して行使できるのか解らなくなってしまうことになる。世界で一番ビジネスがしやすい環境を作り、成功したら全国展開やろうというのが、この政策の目的である。今年2、3か所設けると官房長官が明らかにした。
経済特区の設定と成功の判断は、経済特区諮問会議で行う。議長は安倍首相である。ところがこの委員たちは、民間の経済人と官僚で占められている。しかも、農水省も経産省も総務省も外されている。
成功事例の判断はこの会議が行い全国展開するというのである。全国展開するには法整備などが必要になるが、国民の代表である国会議員はいない。立法権は実質この会議が持つことになる。成功事例の判断もこの会議が行うのである。
経済特区では、雇用も解雇もほぼ自由であるし時間外もなければ、賃金も可能な限り安価になる。労働基準法がないに等しいからであり、解雇特区でもある。雇用者側がやりやすい環境が何なのかを考える容易に判断がつく。ブラック起業だらけのところということになる。
逆に投資者あるいは起業者にとっては、有利なことが無数にあると言ってよいが、結局は小資本は淘汰されることになる。アメリカ企業が恩恵を被ることになるのである。
そもそも、規制緩和は雇用条件を極端に労働者に不利にして、物価を下げることである。物価と賃金が下がることで、デフレが起きたのではないか。デフレ対策は、インフレ政策を目玉にするという、矛盾政策である。
ここの成功例が全国展開されては、法治国家のメンツが立たなくなる。日本の法律の上に、TPPの契約内容が優先されることと同じ構図になるのである。
IPCC第5次評価報告、第1次作業部会報告書が昨年暮れに提出された。※IPCC(気候変動に関する政府間パネル:世界気象機関と国連環境計画によって1988年組織された)
このところ、日本の国益や靖国問題など安倍政権の右傾化暴走等ばかり騒がれるが、人類が直面するもっと大きな事件が起きていることを忘れてはならない。左の表は、同報告書問題を整理してくれた、北海道新聞の切り抜きである。(クリックすると大きくなります)
この報告書は、温暖化の原因を巡って反論する科学者たちへの反論が大きく割かれているが、CO2が最も大きな要因であると述べている。そして、今後起きうる可能性あるいは予測として、上記の6点を挙げている。
この中で最も深刻になるのは食糧問題である。地球人口は70億人を越えながら、着実に増加している。そうした中で、本報告書は横ばいか2%減少すると警告している。この報告書は社会現象を考えない、科学者たちの警告である。
世界の人口は均等に増えているのではない。低開発国が圧倒的に増加率が高く、世界中の農村が担い手を失くしているのである。先進国でも都市人口が増加するばかりである。要するに世界中が都市化しているのである。
農業の担い手が減少するのは、経済効率優先の社会を世界各国が目指すからである。職業間の格差も大きく、貧富の差が経済優先でさらに広がるからである。
世界の穀物価格は、アメリカなどの穀物メジャーが左右し、マネーゲームの対象にしているからである。その典型例が、メキシコである。主食のトウモロコシを、関税撤廃制度(NAFTA)によって、遺伝子組み換えで化学物質に晒されていて安価なため、輸入しなければならなくなった。農民の半数以上が農地を放棄し、残った農民も貧困に喘いでいる。
日本などの先進国は、大量に安価な穀物を輸入し、高価な畜産物に変換させて儲けている。家畜は非生理的な穀物を大量に与えられて、発病寸前で懸命に生産させられている。
人が食べることができないもの(草や残さいなど)を与えて、人が食べられる製品(肉・玉子・乳)を生産する、本来の畜産の形態が崩れている。先進国の畜産形態は、食糧危機の一端を担っているのである。
食料は欠かすこのできないものである。真の意味で国益を考えるなら、可能な限り自賄いして他国に頼るべきではない。穀物多給で効率を求めた畜産は、家畜に苦痛を与えるばかりではなく、食糧危機の引き金にもなるのである。
温暖化・無関税制度(TPP)・人口増加・格差社会・経済効率優先社会・先進国の畜産形態が複合的に食糧危機を生み出す。国益などと狭量な論議をしている時ではない。
新年早々、中国軍の機関紙『人民日報』が、日本は核武装の準備中であると報じている。荒安倍首相の靖国参拝に過敏に反応した、唐無稽の感もあるが、
人民日報の根拠は、日本の原発が生み出すプルトニュウムである。毎年9トン生産されてこれは、2000発の核兵器を生産できるというのである。
石破幹事長もこのことは否定はしていない。原発再稼働の根拠に、核抑止力を放棄するのかと、居直っている。安倍も国会議員になった役職のないころ、核武装を説いていた。
金正恩ばかりが目立つが、中国も韓国もそして日本の指導者も、世襲である。習近平は父が副首相とはいえ珍しく、親の七光りで権力の座に就いた。
韓国の朴槿恵は、民主化を押しつぶした朴大統領の娘である。両親とも暗殺されている。安倍晋三は言わずもがなであるが、A級先般の祖父からの、血統正しいお世継ぎ議員である。子供がいないのが幸いである。
時を同じくして就任したが、このところこの四人は内政で行き詰っている。習近平は経済成長の鈍化と、民族問題を抱えている。朴槿恵は経済政策などの失敗から、急速に支持率が低下している。安倍は順調に見える、虎の子の経済政策のボロもうすぐ露呈される。
内政の行き詰まりは、決まって外に向けられる。このお坊ちゃまやお嬢様たちは、取り巻きの持ち上げで得た地位である。国益を前面に出すと国民の支持は得やすい。中国は航空母艦を製造し海洋進出し、空軍の補強に余念がない。伯父を暗殺した金正恩はミサイル発射を脅しに実行する構えである。安倍の靖国参拝も同類である。
安倍が靖国に参拝したことで、中韓の反発が強くなり、安倍の志向する軍事国家への道もつけやすくなった。核兵器の製造などは、特定秘密になるため、中国のあらぬ予測も反論でいない。
お世継ぎの極東の指導者たちが保身のための外交を、国益を武器に国民を扇動している限りは、平和で友好的な時代は来ない。日中韓は極めて不幸な時代に突入していると言える。
竹島など恩着せがましく韓国に返還すれば良い。普天間を移転でなく放棄廃止にすれば、尖閣問題は消えてしまう。領土問題に寛容になれば、もっと大きな変化が起きること請け合いである。
明けましておめでとうございます。今年もよろしく。
現在最も気になるのが、憲法改正に向けて安倍晋三がかつてないスピードで突っ走っていることである。安倍にとって、政権の維持などほとんど眼中にない。政権への淡白さは、前回の政権放棄に見られるように、かつての自民党が抱く政権への強い執念は彼にはない。
改憲にとって最も厄介なのは、連立を組む公明党である。加憲というあいまいな言葉を使いながも、宗教団体を抱く公明党は本質的には護憲政党である。権力志向が強い現執行部ではあるが、立党精神は中道政党である。
翻って改憲志向を野党に探がせば、維新の会とみんなの党と結いの党が浮かぶ。さらに、民主党には半数以上の前原や野田などの改憲派がいる。要するに政権外には、ゾロゾロいるのである。数も半端でない。
政権に恋々とすることにない安倍にとって、彼らは改憲にとって重要なパートナーになるのは疑いない。安倍は改憲のためなら、何でもやりかねない。アベノミクスなる経済政策ですら、彼にとっては手段でしか過ぎない。
安倍の靖国参拝の暴挙に忠告したのは、公明党だけである。消費税の低所得者対策は、自公は完全に対立している。自民党の先輩たちが政権内に呼び込んだ公明党は、安倍にとって厄介な存在になりつつある。
少なくとも今年の後半には、安倍は公明党との関係を見直すことになるだろう。もちろんそのきっかけは、改憲への暴走である。安倍の恐ろしさがここにもある。