
闇雲に相互関税と言う看板を掲げ、世界各国に関税戦争を仕掛けてきたトランプである。これまで関税は各国の国内事情を反映しながら、コンマ以下の単位まで論議を重ねて積み上げてきたものである。
トランプには一切論議も主張も通らない。今夜石破が電話会談して、日本は悪いことしていないと、ルールについて話し合おうようであるが、トランプにルールなど通るはずもない。日本は報復関税をかけるか、従うかにほかに道などあるはずがない。
ところでトランプが繰り返す、「アメリカはこの80年富を奪われ過ぎるばかりだ」というフレーズは本当であるか?
世界80億の人口の中で、15億人が飢えて10億人が肥満であるという。アメリカ4億5千万人の8割が肥満であるという。そんな国の何処が罪が奪われているという資格があるのか。
戦後中南米の国家の全ての政権をアメリカは、CIAなどを通じて介入し作り上げてきた。アメリカの息のかかっていない国家などアメリカの南に存在しないほどであった。東西冷戦を背景に、アメリカが世界に警察と称して世界各国の権力構造に介入していた。
ご多分に漏れず日本の政権も、親アメリカ政権の吉田茂、佐藤栄作、中曽根康弘、小泉純一郎、安倍晋三といずれも長期政権であるが、石橋湛山、田中角栄、大平正芳それに非自民内閣はいずれも短命である。
トランプが世界の警察を放棄するのは歓迎するが、それがプーチンの不条理を容認するかの発言や行動など許されるものではない。同時にアメリカは保護貿易撤廃を声高に叫んで、現在の関税などを決めているのであるが、それまで放棄し奪われた富を取り返すとは矛盾が大きすぎる。
世界巨大企業トップ30社中26社がアメリカ企業である。世界のGDPの圧倒的トップ、軍事力も同様である。どうしこれほどの巨大な経済を手中にできたのか、これほど巨大な軍事力を持つことができたのか。
ひとえにアメリカが世界から富を集めた結果である。今更、「富を奪われた帰せ」のトランプの言葉に根拠などない。アメリカ以外の国が言いたいものである。
関税の細やかな攻守結果などどこ吹く風で強権で行った相互関税に根拠などない。政権内に賛同者ばかりを集め、トランプを告訴し有罪にした検事を次々と追放するなど人事の報復をし、自分への追随者を登用し、国会突入で有罪になった犯罪者を恩赦を与える。そうした政権に政策への再確認などない。
株の暴落に今の社会は、「手術したばかりの病人だ」安静にしろと言うのである。やがて来るインフレ、そして大不況に、トランプには忠告をする人物は周辺にはいない。アメリカでは1300件を越える、反トランプデモが起きている。トランプには忠告してくれる側近がいない。
ゼレンスキーの支持率は4%しかないと言っても、誰もお咎めがない。「アメリカの富は奪われっぱなし」、と言っても忠告すらする正常な神経を持った経済学者が見当たらないのである。破たんするまでトランプは走るのか。
